阪神 新外国人ナバーロ マートンから指南「自分のスタイルを打席で我慢するように、と」

[ 2018年6月18日 05:30 ]

会見でポーズをとるナバーロ(撮影・坂田 高浩)
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 阪神の新外国人エフレン・ナバーロ内野手(32=カブス傘下3A)が17日、西宮市内の球団事務所で入団会見に臨んだ。昨季タイガース傘下3Aで同僚だった元阪神のマートンから指南されたことを明かし、“継承者”として日本での成功に自信を示した。今季終了までの契約で、年俸は推定30万ドル(約3300万円)。背番号は99に決まった。

 高ぶる気持ちを隠そうとはしなかった。言葉の端々から新天地にかけるナバーロの強い思いが伝わってくる。15日に球団から獲得が発表され、翌16日にスピード来日。一夜明けて入団会見に臨み、フォア・ザ・チームを誓った。

 「こういう形で来られて新しい章に進めることができて、本当にうれしい。チームの勝利に貢献するためにタイガースにやってきたので、ベストを尽くしてやりたい」

 日本球界で大成功を収めるべく、指南役を務めたのが元阪神のマートンだった。昨季所属した3Aトレドでの同僚。阪神入団が決定した際には成功の秘訣(ひけつ)とともにエールを送られたという。

 「自分のスタイルを打席で我慢するように、と。マートンも同じようなタイプの選手。あとは日本を楽しんで、日本の野球にアジャストしていけば“しっかりやっていける”と言われた。彼は素晴らしい記録を成し遂げた。少しでも近づけるよう100%、110%の力を出したい」

 言わずと知れた、猛虎史上でも指折りの超優良助っ人だった。15年までの6年間、チームに在籍。来日1年目には214安打(当時の最多安打記録)を放ち、14年には首位打者にも輝いた。ライナー性で外野の間を抜くスタイルは同じ。マートン魂を引っさげ、タテジマに身をまとう。

 「両親はメキシコからアメリカへやってきたが、かなり苦労したと聞いている。自分たちのためにアメリカに渡ってくれたのだから、何とか恩返しをしたい気持ちがあった」

 雑草魂も持ち合わせる。07年のドラフト50巡目(全体1450位)からメジャー昇格を勝ち取ったハングリー精神の持ち主。異国の地で能力を発揮するためには欠かせない要素の一つだ。

 今季メジャーでは4試合で打率・167ながら、3Aアイオワでは48試合で打率・310、4本塁打、29打点の数字を残した。金本監督は打線の起爆剤として期待し、ロサリオとともに強力オーダーを形成するプランもある。会見に同席した谷本修球団本部長は「今季戦う上で欠かせない戦力になってほしい」と言う。早ければ今月中に1軍デビューを果たす可能性も。偉大な先人に負けてはいられない。



 ▽阪神時代のマートン 09年オフにケガのため電撃引退した赤星の後を継ぐ外野手候補として入団。10年は開幕から「1番・中堅」に定着。イチローの持つシーズン最多安打記録の210本を超える214安打を放ち、最多安打のタイトルを獲得した。11、13年に最多安打、14年に打率・338で首位打者を獲得するなど在籍6年で4度の打率3割も記録。日本通算3287打数1020安打、77本塁打、417打点、打率・310。阪神退団後は16年にカブス3A、17年にタイガース3Aでプレーし、18年1月に引退表明。現在はカブスの競技運営部門補佐としてフロント入りしている。

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