楽天 平石監督代行が“1勝”「最初は胃の辺りがキューっと…素直にうれしい」

[ 2018年6月18日 05:30 ]

交流戦   楽天8―0阪神 ( 2018年6月24日    楽天生命パーク )

快勝した楽天・平石監督代行(中央)はナインを出迎える(撮影・岩崎 哲也)
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 楽天・平石監督代行は、今季初勝利を挙げた美馬からウイニングボールを手渡された。しかし「気持ちはうれしいけど、おまえに受け取ってほしい」と返した。前日の梨田前監督の辞任を受け、後を継いだ。監督代行としての初陣での勝利に「最初は胃の辺りがキューっとなる感じがあった。でも、勝てて素直にうれしいですね」と喜びを隠さなかった。

 静と動を使い分けた。序盤は「静」。2回、無死一塁から銀次に強行させた。「序盤は動かずに、落ち着きを与えたかった」。現役時代の背番号33を受け継いだ弟分は期待に応え、先制2ランを右中間席に運んだ。4回までに4点リードを奪うと、後半は「動」。5回無死一塁、茂木には初球からセーフティーバントのサインを出し、初球を投前安打。一、二塁とチャンスが広がり、アマダーが2点適時打した。8回にはドラフト6位の西巻も初出場させた。今季試合前時点で7勝24敗と大きく負け越していた本拠地で、心遣いも含めて、チームに一体感を生むタクトを振った。

 球団初となるシーズン途中での監督辞任という未曽有の危機。ヘッドコーチとして梨田前監督を支えきれなかったことを悔いながらも、練習前、選手らに呼び掛けた。「ここで立ち止まるわけにはいかない。とにかく前に進む。熱く、生き生きとやってほしい」。その言葉に選手会長の岡島らがベンチで声を張り上げ、38歳の指揮官をもり立てた。

 12安打8得点に完封リレー。「腹をくくってやる。やる以上は借金返済を目指す。ガラッと変わることはないが、僕のやりたいことをやりたい」。立て直しは容易ではないが、満員御礼となった本拠地で希望を感じさせる1勝だ。 (黒野 有仁)

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2018年6月18日のニュース