ヤクルト 初の交流戦最高勝率 石山 16戦連続無失点 前年交流戦最下位からの最高勝率は初の快挙

[ 2018年6月18日 05:30 ]

交流戦   ヤクルト5―1ヤクルト ( 2018年6月17日    札幌D )

交流戦最高勝率球団のヤクルトはライトスタンドのファンの声援に応える(撮影・高橋茂夫)
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 ヤクルトが17日の日本ハム戦で5―1で勝利し、球団初の交流戦最高勝率を決めた。9回を締めた抑えの石山泰稚投手(29)は交流戦を10試合連続無失点の防御率0・00でパ・リーグ球団撃破の原動力となった。前年交流戦最下位からの最高勝率は初の快挙。この日はパの9年連続勝ち越しが決まったが、セ・リーグでは今季の交流戦唯一の勝ち越し球団となった。

 マウンドでの勝利のハイタッチ。駆け寄る仲間を石山は笑顔で迎えた。5―1の9回。2死一、二塁から143キロ内角直球で近藤を左飛に仕留めた。セーブのつかない場面でも最高勝率を決める節目の試合を締めた。

 「優勝(最高勝率)が懸かっていましたけど、変わらない気持ちで投げました。チームが勝って良かった」

 交流戦では10試合連続無失点の防御率0・00。5月8日からの連続無失点は16に伸びた。今季から投手キャプテンに指名された。「僕はまだそんな立場じゃない。結果を出さないと、ついてきてくれるものもついてこないですから」と悲壮な決意で話していた昨オフのひ弱な姿はない。開幕から守護神を務めたカラシティーの不振から託された代役の守護神の座は、今や不動のものとなった。

 オフにはチェンジアップ習得にも挑戦したが、春季キャンプから武器であるフォークボールを磨くことに腐心した。自らの状態、そして相手打者に応じて2タイプの握りを駆使するようになった。石井投手コーチからソフトバンク岩崎のフォークの動画を送ってもらい、参考にした。「(昨年は)ビハインドの時はいい投球をするけど(接戦では)力みが出た。今はどっしりしている」と石井コーチ。宝刀の安定感が精神的な成長にもつながっている。

 14試合連続無失点(交流戦は8試合)の近藤、左腕・中尾とともに「勝利の方程式」が生まれた。救援陣の安定は接戦の強さにつながる。交流戦で挙げた12勝のうち、8試合が3点差以内だった。

 昨季交流戦最下位からの“下克上V”は史上初だ。小川監督も「パ・リーグの打者相手に攻めた結果。パ・リーグ相手に勝ち越せたのはペナントレースを戦う上で力になる」と手応えを口にした。リーグ最下位で交流戦を迎えたチーム順位は2位タイ。前年最下位からリーグ制覇を遂げた15年のような勢いと一体感が生まれている。 (細川 真里)

 ○…全体の最高勝率を決めたヤクルトには賞金500万円が贈られる。しかし、この日は通算勝利数でパ・リーグの勝ち越しが決定。規定では、勝ち越したリーグの中で勝率1位から順に1000万円、500万円、400万円、300万円、200万円、100万円が贈られるため、パの勝率1位はヤクルトよりも賞金額は大きい。さらに、MVP(200万円)も勝ち越したリーグの勝率1位球団から選ぶ。日本生命賞(100万円)は両リーグから1人ずつ選出される。

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