石井一久氏、大谷の故障を解説 自分の体の出力以上の動きをした弊害か 

[ 2018年6月10日 09:30 ]

DL入りが発表された大谷(撮影・大塚 徹)
Photo By スポニチ

 投手は状態がいい時、本来持っている体の出力以上の動きをしてしまうことがまれにある。「腕が飛ぶかと思った」という表現もそういう時によく使われる。エンゼルス・大谷はメジャー登板2戦目となった4月8日のアスレチックス戦で7回1安打無失点、12奪三振の快投を見せたが、その試合からずっと体の状態や切れがよく、僕が日本時代から見てきた中でも、出力以上の力が出ているような気がしていた。

 それはパフォーマンスを上げるためにはいいことだが、時には弊害も生じる。車に例えると、排気量以上の力で走り続けると、オーバーヒートしてしまう。それと同じ理論だ。

 一般論で言えば、ボールの違いから肘に張りが出たりすることもある。経験上、メジャーの公式球はフィーリングとして滑りやすく、持った感じも大きく、重さを感じる。個人差はあるが、僕の場合、スライダーを投げた時に日本時代より肘が張る傾向があった。

 一くくりで「じん帯損傷」と言っても、裂けている場合もあれば、傷が入っているだけの場合もある。同じグレードでも、場所や状態で治療方法も回復具合も異なる。大谷は軽度であることを願っている。(スポニチ本紙評論家)

続きを表示

2018年6月10日のニュース