坂本“セ全勝弾”一振りで敗色ムード一変 巨人独り負け阻止

[ 2018年6月10日 05:30 ]

交流戦   巨人8―5西武 ( 2018年6月9日    東京D )

7回2死一、二塁、坂本勇は左中間へ逆転3ラン(撮影・小海途 良幹)
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 巨人の坂本勇人内野手(29)が9日の西武戦で1点を追う7回、左中間に逆転7号3ランを放った。8回には阿部慎之助内野手(39)もダメ押しの右越え4号3ランを放つなど、強力打線を誇る西武に打ち勝った。デーゲーム5試合に続き、唯一のナイターとなった同戦でセ・リーグの巨人が勝利を収め、14年以来4年ぶりのセ全6球団勝利となった。

 球団の将来を見つめる主将の目が、打球を追った。坂本勇は逆転弾を確認し、両手でバットを立てるポーズを決めてベンチに目をやった。

 「(田中)俊太が四球でつないでくれたので、先輩として何とか打ちたいと思った」

 2―3の7回。多和田の直球を捉えた。左中間へライナーで飛び込む7号逆転3ラン。「手応えは完璧。打った瞬間ホームランだと思った」と喜んだ。

 前日に最下位転落したチームだが、若き力は着実に力をつけている。開幕から二遊間を組む吉川尚には5月末、守備練習中に声を掛けた。連係を確認しながらアドバイスし「来年、再来年のことを考え、いいコンビになれるように」と言った。その23歳が5日に今季53試合目で初めてスタメンを外れると「ベンチにいても勉強になる。ちゃんと試合を見よう」と助言も送った。

 打撃では、17年WBCなど国際大会の経験が生きる。前日は侍ジャパンの稲葉監督が視察。当時、動く球を武器とする初対戦の外国人投手の攻略法を聞かれ「軸足に(体重を)残しながら前で打ちます」と答え、同監督を「難しい、新しいこと。なるほどなというところ」とうならせた。この日も交流戦で初対戦だった多和田を打った。右膝が地面に着くほど柔らかい独特のフォームだが「どういうピッチャーでも対応するのが大事」と話す。

 6試合で唯一のナイター。4年ぶり3度目のセ・リーグ6球団全勝の大トリを飾った。高橋監督は「特にいい1本になってくれた。あの一振りで」と、敗色ムードを一変させた打撃を称えた。打率、打点ともにチームトップの主将は「こういう試合が増えないと上に上がっていけない」と前を向いた。 (神田 佑)

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2018年6月10日のニュース