広島・松山“劇的アンパンチ” 則本から逆転2ラン「最高にうれしい」

[ 2018年6月10日 08:15 ]

交流戦   広島2―1楽天 ( 2018年6月9日    マツダ )

7回無死一塁、逆転の2点本塁打を放ち、ガッツポーズの松山撮影・北條 貴史)
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 広島・松山竜平外野手(32)が9日の楽天戦(マツダ)で劇的なアーチを掛けた。故郷の鹿児島から駆け付けた後援会員が見守る前で、0―1の7回に難敵・則本から左翼ポール際へ5号逆転2ランだ。投げては、一時帰国からの復帰登板となったジョンソンが7回6安打1失点で4勝目。連勝のチームは貯金を10に戻した。

 白球がスタンドに消えた瞬間、松山は両腕を突き上げて喜びを爆発させた。先頭・鈴木が四球を選んだ0―1の7回。カウント2―2からの147キロ外角直球を捉えた打球は、右翼から左方向への風にも乗って左翼ポール際へ吸い込まれた。

 「最高にうれしい。誠也が出塁してくれたので、何とか後ろにつなぐ意識。最高の結果になってよかった」

 則本に黒星を付ける起死回生の5号逆転2ラン。伏線はあった。4回の第2打席。最後はフォークに空振り三振したが、右翼ポールへの大飛球など6球ファウルで粘る中で、右足を上げるタイミングを早めた工夫が、勝負どころで奏功した。

 「いい(直)球があるし、変化球にも対応できるよう、いつもより早めにタイミングを取った。勝負球も直球とフォークに絞った」

 打撃自慢。終盤に4番を担ってリーグ連覇に貢献した昨季から、一段とスケールアップした感がある。それまでは膝やハムストリング(大腿裏)など脚の故障が目立ったが、ここ2年間はゼロ。体質改善が土台にある。

 「体脂肪率は3〜4%落ち、逆に筋肉量は増えた。脚のケガがなくなったのは、その成果だと思いますよ」

 松山の言う「その」とは、遠征先で若手とともに半強制的に課せられるウエートトレーニング。「以前は嫌いでやっていなかった」が、今では本拠地でも自発的に取り入れる。身体の強度が増すにつれ、自慢の打撃にも磨きがかかった形だ。

 松山にとっては「年に一度の特別な日」だった。スタンドでは実父の義秋さんら、故郷の鹿児島から駆け付けた「竜平会」の23人が応援。その前で劇的なアンパンチを放ち、お立ち台では決めゼリフも飛び出した。

 「鹿児島の後援会の皆さん、今日は遠いところを本当にありがとうございます。オレ、やったよ!」

 交流戦はこれで5勝5敗の五分。チームの貯金は再び2桁に乗った。リーグ3連覇へ快走する赤ヘル。攻撃の中核には頼もしい32歳の個性派がいる。 (江尾 卓也)

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