阪神・岩貞、力投7回零封!“中19時間半”「言い訳にしてはいけない」

[ 2018年6月10日 08:20 ]

交流戦   阪神3―2ロッテ ( 2018年6月9日    甲子園 )

力投する岩貞(撮影・岩崎 哲也)
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 阪神先発・岩貞が、指揮官の期待通りの投球を展開した。7回4安打無失点。勝利投手の権利を得て降板したが、不運にも勝ち星には恵まれなかった。それでも試合後の金本監督に「調子は良くなかったと思うんですけど、7回無失点で。きょう一番、残念なのは岩貞に勝ちが付かなかったこと。僕はそれが一番、残念です」と言わしめた。それだけ、価値のある104球だった。

 「先制点を取ってもらい、思い切ってストレートを使うことができました。走者を出しても、高さを意識することで、粘りの投球ができたと思います」

 思い切って腕を振って投じる直球主体に、21個のアウトを積み上げた。球速こそ140キロ前後ながら、鋭い切れ味を備えた最大の武器。その直球を左右高低へ自在に散らし、同じ腕の振りから投げ込むチェンジアップ、スライダーなどを効果的に織り交ぜた。ピンチらしいピンチは4回1死二塁くらい。そこも角中、清田の4、5番を2者連続三振に仕留め、乗り切った。危なげない投球で、三塁すら踏ませなかった。

 大事な9連戦初戦の先発マウンド。中継ぎ陣のやり繰りに不安を抱える指揮官の「先発にできるだけ長く行ってもらって、リリーフをカバーしてもらいたい」という期待に応えた。それでも左腕の口からは「もう1〜2回、行かないといけないところ。中継ぎ陣にも負担を掛けた。そこが反省点です」と反省の弁がこぼれた。主力投手としての、自覚と誇りがあればこそだ。

 当初の先発予定だった8日は、試合開始予定時刻を過ぎた午後6時36分に降雨中止が決定。それでも信頼の証として“中19時間半”というイレギュラーなスライド登板を託された。燃えないわけがなかった。「それは逆に言い訳にしてはいけないと思ったので集中して行こうと思った」。今やメッセンジャー、秋山とともに、堂々たる3本柱の一角だ。(惟任 貴信)

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2018年6月10日のニュース