落合氏、日本シリーズ「消えた完全試合」の真相語る 山井の“深読み”「ケガの影響なかった」

[ 2018年4月1日 20:31 ]

山井から岩瀬への手交代を告げる落合監督(左)
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 中日元監督の落合博満氏(64)、中日の森繋和監督(63)、山井大介投手(39)が1日放送のTBS「スポーツ 天国と地獄 今だから話せる!あの名場面のウラ側」(後6・30)に出演。2007年の日本シリーズで世間を驚かせた「消えた完全試合」騒動の真相をそれぞれの立場から語った。

 中日がパ・リーグ覇者の日本ハムを下して、53年ぶりの日本一に輝いた07年日本シリーズ。3勝1敗で迎えた第5戦、日本一へ王手をかけた中日の先発・山井は8回まで1人の走者も許さない快投を披露。日本シリーズ史上初の完全試合達成に期待がふくらみ、ナゴヤドームが「山井コール」に沸く9回、当時中日監督だった落合氏が投手交代を告げた。

 まさかの采配に戸惑いを隠せないファン。2番手の岩瀬仁紀投手(43)が9回を完ぺきに抑え、2投手による完全試合は達成されたが、落合氏の采配は「空気が読めない」などと大バッシングを受けた。落合氏は番組のインタビューに「(当時コーチだった森氏が)『山井ダメです、代えます』と言うから、『何かあったか?』と聞いたら『本人がいっぱいいっぱいだから代えてくださいと言っています』と言っていた」と降板は山井本人の意志を尊重した結果だったと説明。「俺らに悩む時間さえ与えてくれていない」と語った。

 一方、山井は「もちろん投げたかったですよ」と当時を回顧。交代を希望したきっかけは、落合氏から投手起用の全権を委任されていた森氏からかけられた「どうする?」という一言だったと明かし、「森さんが1回から8回までは(自分のところに)1回も来なかったのに、8回(終了時)に限ってすぐに来た」とし、「『どうする?』という言葉は、監督・コーチから見て代え時かなってときに言うと思うんです。続投させるつもりだったら森さんは来なかった。代えたかったから来たんだと思いました」と何気ない言葉の意味を深読みしたことを告白した。

 ファンの間で“定説”となっている右手指のマメの降板への影響は、「(影響は)ないんじゃないですか。ケガに神経はいかなかった」と否定。山井は自身の人を気遣いすぎる性格を「しんどいです。自分の性格が…」と吐露。

 森氏は「(右手から)血が出ていたので。右手の指のマメの状態がよくないのに引っ張るのは、投手コーチとしていい状況ではない」と、山井のケガを心配してかけた言葉が「どうする?」だったと証言。球界を騒然とさせた「消えた完全試合」事件は、3人のわずかな気持ちのすれ違いが生んだ交代劇だった。

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