“秀才エース”彦根東・増居 ノーノー幻も胸張れ14K

[ 2018年4月1日 05:30 ]

第90回選抜高校野球大会3回戦   彦根東0―1花巻東 ( 2018年3月31日    甲子園 )

9回終了までノーヒットノーランの好投 を見せていた彦根東・増居(中央)だったが、延長10回力尽きサヨナラ負け   
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 133球目、自信のある直球を右前にはじき返された。彦根東・増居は10回、31人目の打者・紺野に初安打を許した。「序盤から“初安打が出てからしっかり抑えよう”と思っていて、逆に力んでしまった」。さらに四球と安打で無死満塁を招き、最後は犠飛で散った。04年に東北・ダルビッシュ(現カブス)が1回戦の熊本工戦で達成して以来となる無安打無得点試合への期待を抱かせた左腕。スタンドから惜しみない拍手が送られた。

 9回までに14三振を奪う力投。最速は141キロで、直球に微妙な球速差をつけて丁寧にコーナーを突いた。「“できすぎ”だったので、どこかに落とし穴があると思って投げていた。(10回の)先頭に打たれたところに、勝負あったかな」。京大工学部への進学を志望し、野球にも独特な感性を持つ頭脳派投手らしい言葉だった。

 中学1年だった13年夏。甲子園の外野席から彦根東―花巻東戦を観戦し、進路を決めた。先輩のリベンジはならなかったが、聖地に確かな足跡を刻んだ。

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2018年4月1日のニュース