井口ロッテ初勝利!新4番抜てきアジャ連発 記念球は「飾ります」

[ 2018年4月1日 05:30 ]

パ・リーグ   ロッテ6―2楽天 ( 2018年3月31日    ZOZOマリン )

ウイニングボールを手に選手を笑顔で出迎える井口監督
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 昨季限りで現役引退したロッテ・井口資仁監督(43)が31日、開幕2戦目となった楽天戦を6―2で制し、監督初勝利を飾った。故障離脱した角中の代役として4番に起用した井上晴哉内野手(28)が自身初となる2打席連続アーチをマーク。昨季は球団ワーストの87敗で最下位に沈んだが、新人監督は下克上を目指して記念すべき一歩を踏み出した。

 偶然にしても出来過ぎだ。4点差の3回無死で、井上は美馬の直球を強く叩いた。打球はバックスクリーン右へ。2年ぶりとなった初回の左越え1号ソロに続く自身初の2打席連発2号ソロだ。試合後、VTRを見て「あっ!」と思った。

 「着弾点が井口さんの(引退試合の)ホームランに似ている。その背中を追いかけられているのかなと…」

 井口監督の初勝利を引き寄せた2発目は昨年9月24日、引退試合(日本ハム)の9回に指揮官が放った同点2ランとほぼ同じ場所に着弾した。井上は特別な思いであふれた。

 オープン戦は12試合で4番を打ったが、打率・200、1本塁打、5打点と低迷。調整遅れの角中が「4番」の本命だったが、開幕直前に第12胸椎圧迫骨折で離脱し、大役が回ってきた。悩んでいた時に「バックスクリーンへホームランを打て」と助言され、開幕前の3日間ロングティーを繰り返した。井口監督の持ち味である中堅右への打球は、最高の恩返しといえた。

 5年目の井上は「春男、脱皮します」とお立ち台で宣言した。オープン戦の2、3月に活躍することが多く、1年目の14年には開幕4番を任されたが「三ゴロ、死球の後は記憶がない」と重圧につぶされた。疲労が出る4月以降、調子を維持するために、オフはあえて疲労時に体を追い込む体幹トレーニングを課し、ばてない肉体をつくった。「年間男になる!」と自信もみなぎる。

 「晴哉(井上)は一番のチャンスで、一番のピンチ」と井口監督。新体制で起用するものの、結果が出なければ2軍落ちも辞さない考えだった。その中で穴を埋めたことに「2戦目で4番で結果が出た」と高く評価した。その手にはウイニングボールもあった。「重さ(重量)は同じだけど。チームの初勝利。しっかり飾ります」。記念すべき第一歩に白い歯がこぼれた。 (福浦 健太郎)

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2018年4月1日のニュース