広島1位中村 プロでも“清原級”目指す 1年目で新人王「獲りたい」

[ 2017年10月27日 05:30 ]

プロ野球ドラフト会議=広島1位・中村奨成捕手(広陵) ( 2017年10月26日 )

地元・広島の1位指名を受け、野球部の仲間と喜びを分かち合う広陵・中村
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 相思相愛が実った。史上初めて高卒捕手によるドラフト1位での競合。広陵・中村は意中の広島に引き当てられた。

 「地元のチームに選んでいただいて光栄。幸せな気持ちでいっぱい。早くから1位指名を公言していただいていたので、引いてくれるだろうなと思った」

 広島県廿日市市出身で鯉党。中日と指名が重複し、緊張感は増した。1年前に田中(創価大→ソフトバンク)、佐々木(桜美林大→ロッテ)と抽選を外した緒方監督が、当たりクジを引いた瞬間も表情は崩さなかった。

 「うれしかったけど、ニヤけたら満足していると思われるので…」。テレビのインタビューで緒方監督が「本人は“厳しく鍛えてくれる球団”と言っているようですが、まさにチームにぴったり。早く会いたい」と答えているのを見て、やっと笑顔になった。

 中村は大きな目標を掲げた。過去に張本勲(東映)、清原和博(西武)ら6人しか達成していない高卒新人野手による新人王の獲得だ。「1年目に獲りたい。プロでも何としてでも捕手をやりたい。守備に自信を持っている。打撃はまだまだなのでプロの投手に対応できるようにやっていきたい」

 今夏の甲子園で、清原の記録を破る大会記録の6本塁打を放った打撃だけではない。苑田聡彦スカウト統括部長から「20〜30年に一人というような凄い肩。肩だけでもプロで飯を食っていける」と評される強肩も大きな武器だ。50メートル6秒0の俊足も持ち、打率3割、30本塁打、30盗塁の「トリプルスリー」も「獲ってみたい」と将来的な目標に掲げた。三拍子そろった大型捕手として赤ヘル黄金期を担う決意だ。 (柳澤 元紀)

 ▼中村の母啓子さん(45) 小学1年生から野球を始め、キャッチボールもままならなかったあの日から、まさかこんな日を迎えられるとは思ってもいませんでした。幾度となく壁にぶつかり、自信をなくし、野球をやめようとしたこともありました。頑張ってよかったね、続けてきてよかったねと伝えてあげたいです。

 ≪高校生捕手がドラフト1位指名で競合するのは今回が初≫高校生捕手がドラフト1位指名で競合するのは今回が初めて。外れ1位での競合は66年2次荒武康博(報徳学園)の西鉄☆と東映。95年原俊介(東海大相模)の巨人☆と中日。今年の村上宗隆(九州学院)ヤクルト☆、巨人、楽天の3度ある(☆に交渉権)。

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