中谷秋季キャンプ1号 江越に負けん!起死回生の猛アピール

[ 2015年11月16日 10:25 ]

紅白戦の4回、本塁打を放つ中谷

阪神紅白戦 紅組3―4白組

(11月15日 安芸)
 自分の置かれている立場は分かっていた。だからこそ、1打席に懸ける思いは誰よりも強かった。白組の「7番・右翼」で先発出場した5年目の阪神・中谷が、意地の一発で、猛アピールに成功した。

 「(打者の)カウント有利で一発で仕留められたのは良かった」

 4回の第2打席だった。2ボール1ストライクから松田の高め直球を完ぺきにとらえると、打球は弾丸ライナーで左翼ポール際の防球ネットに直撃。紅白戦3試合目にして今キャンプチーム1号を記録した。

 まさに起死回生のアーチだ。同じ外野手で同い歳の江越が実戦で持ち味を発揮する中で、結果を残せないでいた。1軍定着へ、意気込んで乗り込んだ安芸で、逆に追い込まれてしまっていた。

 「(レギュラー獲りへ)外野はチャンスだとは思いますけど、正直、自分1人だけアピール不足というか、後れを取っていたのは分かっていたので。どうにかアピールしたかったので、打てたのは良かった」

 未完の長距離砲が見せた確かな成長のあとに片岡打撃コーチも「まっすぐを打てたのが大きい。高めのまっすぐをとらえたのは今までにない当たり。今までにないホームランだった」と目を細めた。今秋はスイングの際に腰が浮き上がり、体全体が伸び上がってしまうクセの修正に取り組む。ようやく努力が実を結び「片岡さんにも真っすぐに強い選手になれ、と言われているので、しっかり打てて良かった」と手応えをにじませた。

 「打撃だけじゃなく、守備でも信頼を置いてもらえるように、総合的にアピールしたい」

 レギュラー奪取へ、必要なものは分かっている。背番号60は「大穴」として競争をかき回す覚悟だ。(遠藤 礼)

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2015年11月16日のニュース