【中畑清氏観戦記】最後まで諦めない姿、しびれたねえ

[ 2015年11月16日 08:56 ]

<日本・ベネズエラ>試合前、松井(左)と話をする中畑清氏

プレミア12予選ラウンドB組 日本6―5ベネズエラ

(11月15日 台湾・桃園)
 さあ準々決勝!今季までDeNAで指揮を執った中畑清氏(61)が、5戦全勝で予選ラウンドを終えた侍ジャパンの戦いぶりを現地・台湾で見届けた。04年アテネ五輪では長嶋茂雄監督に代わって日本代表の指揮を執り、銅メダルを獲得。国際舞台の厳しさを肌で知る中畑氏が、いよいよ準々決勝を迎える日本に熱いエールを送った。

 いやぁ、しびれたねえ。野球の醍醐味(だいごみ)。最後の最後まで諦めない姿を見せてもらった。サヨナラ勝ちで、勢いに乗ったまま次のステージに進める。この流れは止められないんじゃないかな。

 予選ラウンド最終戦。放送席にいても、選手の緊張感がビンビンと伝わってきた。04年のアテネ五輪を思い出すね。これぞ国際大会だよ。

 短期間の戦い。それだけにチームが一つになるというのは、実は難しいことなんだ。今の侍ジャパンは競った展開で勝つことで、1試合ごとに雰囲気が良くなっている。個々の能力が結集され、より大きな力を発揮している感じだ。そんなムードづくりに貢献している一人が松田。ソフトバンクの時と同様に必死に声を出し、鼓舞し…。彼の一挙手一投足が、他の選手に勇気を与えている。

 打線の状態はいい。何より低めの変化球、ボール球の見極めができていることが大きいね。我慢して、粘って、接戦をものにする。相手は悩むはずだよ。準々決勝を前に、他チームに嫌なイメージを植え付けられたんじゃないかな。

 ここからは負けたら終わりの一発勝負。まず先発・前田健できっちりと勝てば、次には大谷が控えている。準々決勝の内容次第では、ぶっちぎって一気にいくかもしれない。ポイントとなるのは抑え投手だけど、増井が最も安定している印象だね。低めに集める制球力に、マウンド度胸。ウチの山崎康も候補に挙げてほしいけど、沢村とともにセットアッパーがいいのでは、と思う。

 中には多少、調子の悪い選手もいるかもしれない。それでも表情に出したり、下を向いたりしちゃ駄目だ。短期決戦。どんどんと前向きな気持ちでいかないといけない。

 さあ、燃えていこう! (前DeNA監督)

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2015年11月16日のニュース