イ・デウン脱韓流3勝目 捕手のサインに首振らず日本流で

[ 2015年4月19日 05:30 ]

<ロ・ソ>無傷の3勝目を挙げたイ・デウン(中央)は自らのグッズであるウチワを手に打のヒーロー・鈴木(左)、荻野とお立ち台で笑顔

パ・リーグ ロッテ9-0ソフトバンク

(4月18日 QVC)
 本拠地初のお立ち台。ロッテファンの大声援を浴びた新外国人のイ・デウンは韓国語で「カムサハムニダ(ありがとう)!」と応えた。日本ハム・大谷らに並ぶリーグトップで無傷の3勝目。「勝つことだけ考えた」と韓流スター並みの端正な顔をほころばせた。

 だがこの日の好投は「韓流」を捨てた結果だ。最速154キロを誇る直球はこの日148キロ止まり。「捕手のリードについていった」とソフトバンク打線を変化球主体で封じた。8安打を浴びながら7回を無失点。前回12日の西武戦(西武プリンスドーム)では捕手のリードに首を振り続け、直球主体で5回4失点だった。打線の援護で2勝目を挙げたが、落合投手コーチから注文がついた。

 10年から3年間、韓国・三星ライオンズで投手コーチを務めた同コーチは「韓国の投手は自分の一番いい球で抑えたがる。それでは上を目指せない」と捕手のリードに従うよう説得。大リーグではメジャー昇格できなかったが、マイナー通算40勝を誇る右腕はプライドを捨て、ほとんどサインに首を振らなかった。

 最大10メートルの風速を利用したカーブでカウントを稼いで、優位に立った。6回2死一、三塁では、3ボール1ストライクから吉村をサイン通りの外角へのスライダーで三ゴロに仕留めた。リードした田村も「今までなら真っすぐを投げたがった」と変身した姿に感心した。

 この日は韓国最大のインターネット系スポーツメディア「OSEN」が取材に訪れた。現 地の 女性記者が「韓国でも日本で活躍するイケメンぶりが話題」と熱烈取材。チームの連敗も2で止めた26歳は「韓国の友人も応援してくれている」と相好を崩した。日本流の投球を吸収して成長を続けている。

 ▼ロッテ・鈴木(今季初の猛打賞)伊東監督が我慢して使ってくれている。まだ足りないけど恩返しをしたかった。

 ◆イ・デウン(李大恩)1989年3月23日、韓国ソウル市生まれの26歳。信一(シンイル)高校卒業後、07年8月にカブスと契約。08年に右肘の再建手術(トミー・ジョン手術)を受け、09年途中に復帰。昨季はカブス傘下3Aで9試合に登板し、3勝2敗、防御率3.75。マイナーでの通算成績は135試合で40勝37敗、防御率4.08。1メートル88、86キロ。右投げ左打ち。

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