山形県の歴史変えた…荒木監督、感慨「一歩前進できてうれしい」

[ 2013年8月19日 13:57 ]

<明徳義塾・日大山形>8回表、左中間に同点打を放ち、三塁に滑り込む日大山形・峯田

第95回全国高校野球選手権大会準々決勝 日大山形4―3明徳義塾

(8月19日 甲子園)
 ついに山形県の歴史を塗り替えた。17日の3回戦で作新学院を破り、同校7年ぶりのベスト8に進出していた日大山形の勢いは準々決勝でも衰えなかった。先制され、追いつき、勝ち越され、また追いつき、勝ち越され、8回に2点を取ってついに逆転。4―3で明徳義塾を破り、山形県勢初のベスト4進出を勝ち取った。

 「いや~っ…」。感慨深げに言葉を発した荒木監督が続けた。「チームが目標に掲げてきたベスト4を達成でき、県勢の成績を一歩前進できてうれしいです」。

 試合前、荒木監督は選手たちに言った。「山形県の歴史を変えられる1戦。だが、プレッシャーを感じず、仮にミスをしても前を向いてやろう」。指揮官の言葉でリラックスした選手たちは、ひたすらビハインドな展開にも臆せず、3度追いついた。そして、2―3で迎えた8回、2死二塁で3番・峯田が中越え適時三塁打を放って同点に追いつくと、さらに2死一、三塁から5番・吉岡が右前に逆転タイムリー。吉岡は「監督から“結果は気にするな、思い切りいけ”と言われて打席に入った」と話し、「庄司のために、と思ってバットを振った」と疲労の色が濃い中で力投する右腕エース庄司への思いがこもった一撃だったことを明かした。

 「次のことはまだ考えられない」。熱戦を終えたばかりの荒木監督は言い、ここから先は県勢としても未知の戦いとなる。20日は休養日。「まずはゆっくり休んで、あしたからミーティングをして準備したい」。山形県民の思いも背負った戦いは、まだまだ終わらない。

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