大谷　「リアル」二刀流　野手から投手！１８年ぶり実現

＜日・ソ＞６回２死、打球を追う大谷

パ・リーグ 日本ハム２－７ソフトバンク

（8月18日 帯広）
　「二刀流」を続ける日本ハムの大谷が、新たな形を示した。２―７とほぼ勝敗が決した８回。野手として先発出場していた大谷が、ベンチから向かった先は右翼ではなくマウンド。新人が１試合で野手から投手をこなすのは４５年ぶり。１回を１安打無失点に抑え、また新たな歴史を刻んだ。

　「試合でしっかり投げられたことが一番大きい。思ったところに（球が）いった。良かったのかな。これを（今後に）生かしていければいい」

　中継ぎは９日のロッテ戦（札幌ドーム）で経験済み。といっても、野手から回るのは初めてだった。４回に右前打を放った大谷は、６回に先頭打者として第３打席に向かう前に、栗山監督から投手として登板することを告げられた。７回の守備前のキャッチボールでは、投手を意識してセットポジションから力強い球を投げ込んだ。守備を終えるとベンチでリストバンドを外し、一目散にブルペンへ。１９球の投球練習を行い、グラウンドへ飛び出した。

　先頭の本多にいきなり左前打を許し、自身の暴投も加わり、１死二塁のピンチ。ここで１番打者の中村に１６球も粘られたが、「直球で打ち取れると思ったし、コースに投げればいけると思った」と最後は一ゴロ。続く今宮も遊ゴロに仕留めて、本塁は踏ませなかった。

　この日の登板は、次回先発が濃厚な２３日のオリックス戦に向けての調整登板。栗山監督も「打者に投げられたのは絶対にプラス。翔平は大変だっただろうけど、シーズン中はもうないだろうし」と話した。今季は最初で最後の「リアル二刀流」。それでも、いつの日か、自身の本塁打でリードを奪い、そして救援登板。その一歩がこの日だった。

　▼日本ハム・島崎投手コーチ　普通に（肩を）つくった。（慌ただしさは）あまり感じず、全然問題ない。

　≪デストラーデ以来≫大谷（日）が「５番・右翼」で先発出場し、８回に救援登板した。先発野手の救援登板は、デストラーデ（西）が９５年５月９日オリックス戦で記録して以来。日本人では７４年９月２９日南海戦の高橋博士（日）、新人では６８年５月２６日東映戦の永渕洋三（近鉄）以来４５年ぶりとなった。