大谷 復活V撃「リアル二刀流」実現も近いぞ

[ 2013年8月18日 06:00 ]

<日・ソ>7回、2ランを放った中田(右)を迎える大谷

パ・リーグ 日本ハム10-3ソフトバンク

(8月17日 帯広)
 日本ハムの大谷翔平投手(19)が復活した。17日のソフトバンク戦に「5番・右翼」で野手として7試合ぶり先発出場。5回に決勝の適時二塁打を放つなど2安打2打点と活躍した。栗山英樹監督(52)が示唆していた投手としても登板する「リアル二刀流」は、中盤まで競り合う展開となったためお預けとなったが、クリーンアップの一角として、チームを3連勝に導いた。

 祈るような思いが通じた。5回。2―2の同点に追い付き、なおも1死二、三塁。大谷は摂津のシンカーにタイミングを崩されることなくバットで拾い、右中間に二塁打を放った。

 「抜けてくれ、という思いで走りました。調子が上がらない中でスタメンで使ってもらってうれしかったし、結果を残したいと思ってプレーしました」

 試合前の時点で、球宴以降は24打数でわずか3安打。そのうち2本が内野安打だった。打率は・305から・269まで下降。初めてのシーズンを戦いながら、見えない疲労が蓄積し「ミスショットが多かった」と振り返る。9日からは投手として中継ぎ待機も経験。この日は7日の西武戦(西武ドーム)以来、7試合ぶりの先発出場だった。それでも8回に中前打を放つなど、2安打2打点。自身初の適時打による勝利打点もマークした。

 中継ぎ待機となったことで野手としての出番は減った。だが、その間にブルペンで「捕手といろいろ話しました」という。同じ球種を続ける際に気をつけることや、変化球の使い方など、投手としての幅を広げるための勉強に時間を費やした。5回の右中間二塁打は3球続いたシンカーを叩いたもの。ブルペンでの時間は無駄ではなかった。

 試合前には後輩たちの奮闘に勇気づけられた。母校の花巻東(岩手)が、甲子園で済美(愛媛)と対戦。大会屈指の好投手である安楽を打ち崩し準々決勝進出を決めた。大谷は練習の合間に球団関係者から逐一報告を受けていたという。「安楽くんは初戦で凄くいい投球をしていた。紙一重でどちらが上とかないけど粘り強く戦った結果だと思う」と後輩を称え「僕も負けないようにしないと」と気持ちを奮い立たせた。

 投手としての次回先発は23日のオリックス戦(京セラドーム)が濃厚。栗山監督は「次の登板に向けどこかで投げさせたい」とこの2連戦での中継ぎ登板を示唆していた。しかしこの日は終盤まで僅差の展開だったこともあり見送られた。「(4得点した)イニングがもう1つ早ければね。難しいな」と話した指揮官だが、18日の実現の可能性については「チャンスがあればね」と含みを持たせた。

 この日のように自らのバットで序盤からリードを奪えば、試合後半から登板する「リアル二刀流」がついに実現するかもしれない。

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2013年8月18日のニュース