ダル 21連勝マー君に「それくらいやってもらわないと」

[ 2013年8月18日 06:00 ]

ブルペンで投球練習をするレンジャーズのダルビッシュ

 レンジャーズのダルビッシュ有投手(27)が16日(日本時間17日)、プロ野球新記録の21連勝を達成した楽天・田中将大投手(24)に辛口エールを送った。自身も含めて投打にわたるライバルたちが海を渡った現状で、田中の実力が抜きん出ていることを指摘。日本球界のエースとして勝って当たり前とし、今後も連勝記録を伸ばすことに期待を寄せた。

 ダル兄貴って、厳しい。3歳年下の弟分に対してだ。田中がプロ野球新記録の21連勝を達成しても、驚く様子は全くない。淡々と、こう言った。

 「凄いことだと思いますけど、それくらいはやってもらわないと、と思う」

 田中が勝ち続けて当然のスタンス。もちろん、可愛がっているからこそ、実力を認めているからこそ、である。その理由を説明した。

 「今は野手も投手もだいたい、こっち(メジャー)に来ている。和田さんとか黒田さんと、岩隈さんもそうだし」

 確かに、兄貴分の言う通りだ。投手ならダルビッシュ自身も含めて、野手なら青木、中島、川崎ら日本の実力者たちは次々と海を渡った。自身も日本ハムに最後に在籍した11年当時は敵なしで、田中が同じ状況をつくり上げていても、おかしくないという意味であろう。

 師弟愛。ともに戦った08年北京五輪、ダルビッシュはキューバとの初戦で打ち込まれた後、田中に「俺もするんだから、おまえもやれ」と道連れで丸刈りにさせた。フォームの分析、切れの増す直球やカーブの握り方を教え、田中の成長に多大な影響を与えている。弟分が40イニング連続無失点中だった7月中旬。11年にマークした46イニング連続無失点に迫られたが「だいたい、僕が40何イニング連続失点というのは飛ばないボール。向こう(田中)は飛ぶボールでやっているわけですから全然比べものにならない」と称賛した。

 田中と最後に投げ合ったのは11年7月20日、東京ドーム。1失点完投勝利し、8回3失点の弟分に対して貫禄を示した。現在、ポスティング・システム(入札制度)が失効中のため、今オフに田中がメジャー挑戦できるかは分からないが、近い将来、メジャーで投げ合う日も訪れるだろう。

 この日27歳の誕生日を迎えたが、年齢的なピークなど設定していない。「一年一年、一日一日、自分の実力を向上できるようにトレーニングとか、やっている。それ(ピーク)がいつになるか分からないけど、なるべく長くと思っている」。向上心の塊のような男。弟分とよく似ている。

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2013年8月18日のニュース