松井家はかかあ天下?「米国の父」が明かすゴジラの素顔

[ 2013年1月18日 12:09 ]

3月に第1子が誕生予定の松井氏

 受話器越しに寂しげな気配が伝わってきた。

 「残念です。まだ若いし、まだ活躍できると思っていた。それにしても、22年前の少年がこれだけの大選手になるとは想像だにしなかった。私にとって彼との出会いは素晴らしいものでした」

 声の主は加藤敏夫さん(71)。91年、当時星稜2年だった松井秀喜氏が全日本高校選抜の一員として渡米。ホームステイ先がアナハイム近郊の加藤家だった。加藤さんは松井のために海が見渡せる部屋を用意し、大リーグ観戦にも連れていった。いわば、松井の大リーグ挑戦の原点がアメリカ西海岸、そして加藤家だった。

 以来、松井は加藤さんを「米国の父」と慕い、今日に至るまで親交は続いている。ヤンキース移籍2年目の04年に加藤家が引っ越す際には、「最後にあの部屋をもう一度見せてよ」と松井が訪れたこともあった。

 昨年12月上旬。加藤さんは松井に電話。患っていた皮膚がんが脳に転移、10月に手術したことの報告だった。「その時にこっちから“引き際は難しいね”という話をしたんですが、彼からは“どこでやるかは分からないけど…”とまだやる気十分なような発言があった。辞めるような気配はまるでなかった」と振り返る。その後、27日の引退表明までに、松井の心境に急速な変化があったのだろうか。

 松井が歩み始めた第二の人生でも応援し続けたいという加藤さん。楽しみにしているのが、3月に誕生予定の松井ジュニアだ。夫人も紹介された加藤さんは「本当に女優さんのようにきれいな人」と思い返す一方で、「一緒に居るときはかかあ天下というか、彼が尻に敷かれているような感じが見受けられましたね。でも、その方が家庭はうまくいく」と笑った。

 幼少時代は大の巨人ファンだったという加藤さん。昨年1月にロサンゼルスで開催された世界少年野球大会(WCBF)20周年設立パーティーで、加藤さんは憧れの王貞治氏とも初対面した。「ホームステイの話をしたら、“松井を頼みます”って頭を下げられて…。いずれ巨人の監督になってくれるのはもろ手を挙げて賛成。彼は頭が切れるし、指導者としても成功すると思う。“名選手必ずしも名将にあらず”との言葉は彼には当てはまらない」。もう一人の父の願いがかなう日もそう遠くはないだろう。

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