栗山監督「喜びより責任」…「夢の向こうに」で懸け橋役

[ 2013年1月18日 06:00 ]

09年12月、高校生にキャッチングの指導をする横浜・細山田(右)とコーディネーターを務める栗山現日本ハム監督(左)

 プロアマの懸け橋を担ってから10年。画期的な雪解けの朗報を聞き、日本ハム・栗山英樹監督(51)は感慨深げだった。

 「いつかこういう日が来ると思って一生懸命やってきた。本当に素晴らしい。ただ、もろ手を挙げて喜ぶよりも大きな責任があると感じる」

 03年12月、現役プロ選手による高校球児を対象にしたシンポジウム「夢の向こうに」が大阪でスタートした。その第1回からコーディネーターを務めてきたのが栗山監督だ。以来、一昨年まで高校球児と現役プロ選手との間を取り持った。プロ選手たちの話や実演に目を輝かす球児たちの姿を見るたびに、取り組みの重さを感じてきた。

 長年にわたる尽力が認められ、09年には高野連から特例として取材を許された。元プロが直接、高校球児を取材するのは異例。3年間、夏の甲子園でテレビ朝日「熱闘甲子園」のナビゲーターを務め、本紙でも「熱中甲子園」を連載した。取材を通じて分かったのは「野球の技術を教えるのではない。人間教育が高校野球」ということ。それはプロにも共通する。日本ハムを率いても「野球は教える人以上にチームは大きくならない」を胸に刻んで指揮した。

 そんな栗山監督は、プロアマの今後に目を向ける。「人を教えることには大きな責任が伴う。こうして道を開いてもらった以上、その責任を肝に銘じてやらないといけないと思う。自分も指導者として、それを忘れずに頑張りたい」。積もった雪は解けた。だからこそ、その先にある大きな道へ思いをはせた。

 ▽学生野球資格の回復に関する規則 プロ退団後、高校教諭として通算2年以上在職している元プロ野球団体関係者は当該都道府県高野連、日本高野連を経て、日本学生野球協会で指導者の適性審査を受けることができる。実習助手や非常勤講師としての在職期間は教諭歴に加えず特別支援学校、中学校教諭歴は加算。臨時講師の経験も教諭歴に準ずる扱いとなる。

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2013年1月18日のニュース