成瀬、完封!ロッテ、史上初の下克上CS突破

[ 2010年10月20日 06:00 ]

胴上げで立ちながら宙に舞う西村監督

 【ロッテ7-0ソフトバンク】史上初の下克上だ。ロッテが19日、クライマックスシリーズ(CS)ファイナルステージ第6戦でソフトバンクに完勝。通算4勝3敗(ソフトバンクの1勝アドバンテージ含む)とし、5年ぶりの日本シリーズ進出を決めた。

【試合結果


 レギュラーシーズン3位からの進出は初めて。胴上げでは就任1年目の西村徳文監督(50)の体が3度宙を舞った。4安打無四球完封のエース左腕・成瀬善久投手(25)は今CS2勝目でMVPを受賞。ロッテは11月30日開幕の日本シリーズで、セ・リーグの代表チームと激突する。
 エースが表情を崩し、歓喜の輪が広がった。シーズン3位から史上初の日本シリーズ進出。就任1年目の西村監督の体が3度、宙に舞った。負ければ敗退の土俵際から3連勝。最後は成瀬が4安打完封だ。指揮官自らが指名した新エースを連続中4日で先発させた決断こそが、下克上CS突破につながった。
 「本当によくやってくれた。さすがうちのエース。頼りになります。監督1年目で胴上げしてもらうのは最高の気分」
 西武とのファーストS(西武ドーム)初戦で118球を投げた成瀬をファイナルS初戦にプロ初の中4日で起用。最終第6戦までもつれ込んだ場合に再び中4日で先発させられる計算からだが、初戦も落としかねない危険と背中合わせの勝負手だった。その期待にエースは1失点完投で応え、続けて無四球完封。文句なしのMVPだった。
 初回、先頭・川崎を外寄りの直球で空振り三振に仕留めるなど3回までパーフェクト。的場とのコンビで内角を厳しく攻めた初戦の残像も利用して、外角中心の投球で翻ろう。最後まで二塁も踏ませず、シーズンでは0勝4敗だったソフトバンクを2試合連続で牛耳った。07年の日本ハムとのCS第2S(札幌ドーム)は最終第5戦に中7日で先発したが3回2/3で4失点KOされチームは敗退。投げ合ったダルビッシュは中4日で7回途中1失点だった。あれから3年。頼れるエースに成長した姿を見せ、過去の悪夢も払しょく。この日は杉内に投げ勝ち「きょうは100点以上。エースとしてはまだ、これからだと思います」と謙そんしつつ胸を張った。

 シーズン終盤からミラクル劇の連続でつかんだ日本シリーズ切符。選手を信じ、スローガン「和」の精神を重視してきた指揮官は言った。「精神力の強い選手たち。やるたびに精神力の強さを実感しながら、ここまでこられた」。伝説の88年10月19日、近鉄とのダブルヘッダー(川崎)、ロッテの「1番・二塁」は西村監督。相手の優勝を阻止して敵役となった。それから22年後の10・19。西村ロッテは堂々の主役となった。

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2010年10月20日のニュース