まさにプロ向き!沢村、156球「観客魅了できた」

[ 2010年10月20日 06:00 ]

14回を投げ8安打1失点で完投勝利を挙げた中大・沢

 【中大2-1国学大】東都大学野球は19日、神宮球場で1回戦3試合が行われた。第1試合ではドラフト1位候補の中大・沢村拓一投手(4年)が延長14回を1人で投げ抜き、8安打1失点。156球の熱投で視察に訪れた日米12球団のスカウトにアピールした。また青学大と東洋大がそれぞれ先勝した。

 延長14回、156球を投げきった沢村は豪語した。「疲れはなかった。15回でも20回でも行けました。楽しかったし、観客を魅了できましたね」。初回、先頭・沢田に対してこの日最速の154キロをマークも、打球が左手首を直撃し内野安打に。「ずっと痛かった」というが、それでも150キロ台を連発。延長14回にも150キロをマークした。1位候補に名を挙げる阪神の葛西スカウトも「中大は打線が弱い。逆に沢村を成長させている」とうなった。
 ドラフトまであと8日。今は心身ともに充実している。リーグ戦中ながらウエートトレーニングで体重は2キロ増の91キロに。延長11回終了後には、ベンチでナインに「勝ちたいなら真剣にやれ」とゲキを飛ばした。奮起した打線は14回に勝ち越し。「ドラフトのアピールの時期は終わりました。最後は笑って終わりたい」。名実ともにチームを引っ張る男は、最後までアクセル全開だ。

 <青学大3-2国士大>2―2の延長12回2死二塁から、代打・井上の右前打でサヨナラ勝ちした。右翼手が捕れるかどうか微妙な当たりだっただけに「どんな形でもいいから走者を還すことだけ考えていました。落ちてくれっ、と思って走りました」。報徳学園時代の08年夏の甲子園でも、新潟県央工戦の9回にサヨナラ打を放っている。「接戦をモノにできたのはチームにとっても大きい」と今季初の勝ち点奪取に向け意欲的だった。

 <東洋大2-0亜大>エース左腕の藤岡が延長10回をわずか2安打、14奪三振の力投で2試合連続完封。リーグトップの5勝目を挙げた。亜大・東浜との息詰まる投手戦を制した藤岡は「投げ合っていて楽しかったです。野手のリズムを考えて、きょうは三振を狙いました」と快投にも平然とした様子。高橋監督は「藤岡に尽きますね。安心して見ていられた」と手放しで褒めていた。

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2010年10月20日のニュース