東洋大・藤岡11回完封!「楽に」150球快投

[ 2010年9月5日 06:00 ]

<国士舘・東洋>延長11回を投げきって完封勝利の東洋大・藤岡

 東都大学野球第1週第1日は4日、秋季リーグが開幕し、1回戦2試合が行われた。連覇を狙う東洋大は、開幕試合で3年生エース左腕の藤岡貴裕投手(3年)が延長11回を投げ抜いて3安打13奪三振の快投。2―0で国士舘大を完封した。第2試合では、2季ぶりに1部復帰した青学大が中大を下して先勝。2年生右腕の福島由登が2失点で12奪三振と力投をみせた。

 点を与えなければ負けない。東洋大・藤岡はその一心で投げ続けた。そして11回に2点の援護。その裏もしっかり3人で締めて、開幕戦白星を手にした。
 「しっかり投げることができた。変化球も決まっていたし点が入るのを待ち続けて投げました」
 150球を投げきって3安打無失点、13三振を奪った。直球は自己最速を上回る150キロをマーク。9回に先頭打者を遊撃・林崎の失策で出塁させたが、2番からの上位打線に対してオール直球勝負を挑んで3者連続空振り三振。3年生ながら堂々たる「エースの姿」に高橋監督も「苦しくてもよく投げた。立派なもんだ」と称えた。
 今春リーグ戦は3試合連続完封など6勝を挙げてMVPを獲得。大学日本代表に選出されて世界大学野球選手権にも出場した。だが、先発した予選のキューバ戦では2本塁打を浴びるなど4回4失点で降板した。「キューバ戦で打たれた経験で甘い球は投げられないと思った」。この日は球速とともに、制球にも細心の注意を払って2四球。すべてにおいて春から成長した姿を見せつけた。
 「国内にキューバみたいな大学はないですからね。楽に投げられました」。打たれたことでつかんだ自信。藤岡の快投はそのままチームの春秋連覇へとつながっていく。

 <スカウトもべた褒め>藤岡は、東海大・菅野、明大・野村らと並んで、来秋ドラフトの目玉候補の1人だ。広島・苑田スカウト部長は「今年でも1位だよ。調子がいいと思わなかったが、それでも抑えるところがいい」とベタ褒め。阪神・菊地東日本統括スカウトは「スライダーがいいね。今の実力でプロで10勝近くできる。でももっと制球とかも良くなるでしょうね」とこちらも大絶賛だった。

 ▼国士舘大・永田監督(先発の屋宜が10回0/3を2失点と好投も惜敗)屋宜は粘り強く投げてくれたけど完敗です。藤岡は春よりもよくなっていた。

 ◆藤岡 貴裕(ふじおか・たかひろ)1989年(平元)7月17日、群馬県生まれの21歳。小2で野球を始め、中学まで野手。桐生一で投手に転向し、2年夏と3年春に甲子園に出場した。東洋大1年春から登板。2季ぶり優勝の今春は6勝しMVP。全日本大学選手権でもMVPを獲得して大学日本一に貢献。リーグ戦通算11勝4敗。防御率1・50。1メートル81、80キロ。左投げ左打ち。

 

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2010年9月5日のニュース