名将・神長監督「10年連続出場」勲章手に退任

[ 2010年9月5日 06:00 ]

<JR九州・日本通運>10回1死二塁、マウンドの牧田(右)のもとに行き、声をかける日本通運・神永監督(左)

 【野球が好きだから・日本通運1―2JR九州】ついにこの日がやってきた。延長戦の末、JR九州にサヨナラ負け。日本通運の夏は2回戦で終わりを告げた。神長監督は意を決したかのように秘めてきた思いを明かした。

 「優勝して終われれば格好良かったですけど、最後の都市対抗に10年連続で来させてもらって感謝しています。これを区切りにユニホームを脱ぎます。選手には今、ロッカーで伝えました」
 00年の暮れに監督就任。10年連続でチームを都市対抗に導き、プロにも10選手を送り出した。初戦の日本新薬戦前は10年連続出場の表彰を受けたが、監督としての受賞はかつて例がないという。「10年目の今年は石にかじりついてでも、と思ってました。連続が途切れてしまう恐ろしさにさいなまれて苦しかったですね」
 就任以来、都市対抗のことが頭から離れたことはない。「生活の中でも中心でした」。予選の前にはあれこれ考え、たとえ出場したとしても負ければすぐ来年に向けて始動する。家族での団らんなど記憶にない。秋の日本選手権までは指揮を執るが「もう来年の都市対抗のことを考えなくてもいいんですね」。厳しい世界で戦い続けてきた者ならではの言葉を残し、静かにドームを去った。

 ◆神長 英一(かみなが・ひでいち)1960年(昭35)6月24日、群馬県生まれの50歳。作新学院から法大を経て日本通運入り。現役時代は遊撃手として都市対抗にも出場した。引退後はマネジャー、コーチを経験し00年の暮れに監督就任。監督としての都市対抗最高成績は01、06年のベスト4。

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2010年9月5日のニュース