岩本打撃改造弾!NTT東日本8強進出

[ 2010年9月5日 06:00 ]

<NTT東日本・トヨタ自動車>7回無死、左越えに本塁打を放つNTT東日本・岩本

 第81回都市対抗野球大会は4日、東京ドームで2回戦2試合と準々決勝1試合が行われた。第2試合はNTT東日本(東京都)が9番・岩本康平内野手(24)のソロ本塁打など、10安打で7点を奪う猛攻を見せてトヨタ自動車(豊田市)に7―0で完勝。JR九州(北九州市)とともに8強入りを決めた。また、準々決勝は住友金属鹿島(鹿嶋市)がヤマハ(浜松市)を下して00年以来、10年ぶりに4強進出を果たした。

【試合結果


 まるで4番打者のようなひと振りだった。3―0の7回。内角低めの直球を豪快にすくい上げた岩本の打球は、一直線に左翼席に飛びこんだ。
 「フルスイングしか考えてませんでした。初戦で打てなかったので結果が出てよかったです」
 待望の中押し点だった。初回に3点先制したが、その後は得点を奪えずにいた。そこに9番打者の本塁打が出たからたまらない。ベンチは一転してお祭り騒ぎ。1死後、主砲・高尾の3ランも飛び出して試合を決めた。
 1メートル74の小柄な内野手、岩本は「もともと当てにいくタイプ」だった。無安打に終わった1日の1回戦、七十七銀行戦後に垣野監督から打撃を根本から変えるよう命じられた。2回戦まで中2日だったが「正直、エッと思いましたけど監督に言われたことをモノにできれば、絶対に打てると思っているので」。打席の立ち位置をスパイク半足分後ろに下げて、重心をつま先に置いた。「それまでは開き気味だったのですが、変えてから外角がよく見えるようになって不安がなくなりました」。内角ならその場でクルリと腰を回せばいい。スパイク半足分、約14センチ後ろに下がっただけで、心に余裕が生まれた。
 三菱ふそう川崎時代は「ミスター社会人」西郷を育て、アマチュア向けに打撃理論をまとめたDVDを出すなど、打撃指導に定評のある指揮官のひと言が小兵をスラッガーに変えた。2試合で1失点の投手陣と合わせ、投打ががっちりかみ合っての8強進出。昨年の4強超え、電電東京時代以来29年ぶりの頂点の座も十分に狙える。

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2010年9月5日のニュース