2度中断 特別シートのひざ下まで浸水も 仙台育英圧勝V

[ 2010年7月27日 06:00 ]

<仙台育英・気仙沼向洋>28対1という記録的大勝に喜び合う仙台育英ナイン

 【宮城・仙台育英28-1気仙沼向洋】第92回全国高校野球選手権(8月7日開幕、甲子園)の地方大会は26日、21大会41試合を行った。宮城大会決勝では、仙台育英が32安打で大会決勝戦の史上最多28得点を挙げ、2年ぶり22度目の出場を決めた。

 ヤクルト・由規の弟、佐藤貴は3打席連続三塁打でチーム最多の5打点を稼ぎ「信じられないです。夢のようです」と兄そっくりの顔をほころばせた。
 6回2死一、二塁から先発全員安打となる中越え適時三塁打を放ち「自分以外、みんなが打っているのはわかってました」。7回2死一塁でも右翼線三塁打を放つと、8回にも三塁打で3打席連続。6打数3安打、チーム最多打点の活躍に「えっ?知らなかったです」と目を丸くした。
 決勝前夜、由規から電話があった。「甲子園は本当にいいところ。ここまで来たら優勝するしかない。頑張れ」とエールをもらった。球宴休み中にも帰省した兄と食卓を囲み、助言を授かっていた。「同じ舞台でやりたかったのでうれしいです」と感慨深げだ。
 試合途中、県内には竜巻警報が発令され、雷雨で2度、計2時間22分も試合が中断。濃い霧も出て本塁からバックスクリーンがかすんで見えなくなるほど。グラウンドレベルで試合観戦ができるネット裏の特別シートもひざ下まで浸水。ドアのすき間をぬって併設する記者室や関係者室にまで流れ込み、たまった水を関係者がバケツでかき出す場面もあった。
 佐藤貴は「ブルペンで素振りしたり、フォームのチェックをしてました」。他のナインもベンチ裏で軽食をとったり、ストレッチを行うなどリラックス。集中力を切らさないように努め、再開後も猛打を続けた。
 野球部創部80周年。メモリアルイヤーに聖地行きを決めた佐々木監督は「ホッとしています」と表情を緩めた。まずは兄を超える2回戦突破。佐藤貴が抱くその先の目標は限りない。

 ▼ヤクルト・由規 弟には「技術的なことは今までやってきたのだからノビノビやれ」と伝えていました。勝負は甲子園から。自分たちよりも上に行ってほしい。

 ◆仙台育英(宮城) 1905年創立の私立校。OBにヤクルトの由規。

続きを表示

2010年7月27日のニュース