イチロー「ああいうのは年間一つか二つ でもまあ、楽しいわね」

[ 2010年7月27日 13:09 ]

ホワイトソックス戦の6回、コッツェーの本塁打性打球をジャンプして好捕するマリナーズのイチロー

 【マリナーズ1―6ホワイトソックス】イチローが6回、あわやフェンス越えの大飛球を奪いとった。1歩目の速さ、落下点へのコース取り、最後のジャンプのタイミングとすべてが完ぺきだ。9年連続ゴールドグラブ賞の名手らしく、まったく無駄のない動きだった。

 「ああいうのは年間にあっても一つか二つ。でもまあ、楽しいわね」。敵地の右翼フェンスは金網状となっており、よじ登ることは不可能だった。「上を越されたらあれだけどぎりぎりのはね、面白いよ」。慣れ親しんだ本拠地とは違った環境にも、とっさに最善の反応が出る。満員の敵地ファンから惜しみない拍手が送られた。
 イチローは楽しさの理由を端的に語る。「見てる人のリアクションが大きいですね」。シカゴは特に縁のある地ではない。だからこそ率直なファンの反応がうれしい。
 六回に3試合ぶりとなる安打を左前に放ち、八回にも内野安打して、こちらも3試合ぶりとなる複数安打を記録した。それでも試合は完敗で、表情に笑顔はない。だが、身体能力と経験のすべてを体現できたイチローは、別次元での快感を覚えていたようだった。(共同)

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2010年7月27日のニュース