逆転Vの切り札!?藪 146キロ!ロッテ内定

[ 2010年7月27日 06:00 ]

ロッテのテストを受けた藪はブルペンでフォークを投げる(左は西本コーチ)

 ロッテは26日、元ジャイアンツ・藪恵壹投手(41)の入団テストをさいたま市のロッテ浦和球場で実施。41球を投げ、直球は最速146キロをマークした。合否は30日に発表されるが、首脳陣は高い評価を下し、藪の6年ぶりの日本球界復帰は確実。日米91勝の経験豊富な右腕が切り札として加わる。

 最大限の配慮をして行った入団テストだった。投球に集中させるため、ファンや報道陣が近づけない一塁側ブルペンを使用。西村監督、西本投手コーチが見守る中、藪は年齢とブランクを感じさせない投球を披露した。

 直球は最速146キロを計測。シュート、カーブ、スライダー、チェンジアップ、フォーク、カットボールも交えた。予定ではラストの40球目が高く浮くと「もう1球、お願いします!」。気迫十分の41球目の直球は外角低めに決まった。

 何度もうなずいた西村監督は、27日と28日もテストを行って結論を出すとした上で「きょうぐらいのものを出してくれたら大丈夫」。27、28日は直接視察する予定はなく、事実上の「合格」だった。阪神のコーチ時代に藪を指導している西本投手コーチも「時差ボケもある中で146キロは凄い。球種も豊富で、阪神時代より投球の幅が広がった」と絶賛。入団が決まれば中継ぎで起用する方針も示した。

 藪は阪神から05年にアスレチックス移籍。メジャー通算7勝を記録したが、昨年7月にジャイアンツ傘下3Aを解雇されていた。現役続行を希望して米国で練習を続け、入団テストに向け23日に帰国。この日のテストを終え、感触を問われると「まあまあです」とだけ話して足早にタクシーに乗り込んだが、笑みを浮かべたその表情が確かな手応えを物語っていた。

 松本編成統括は「すべての球に切れがあった。(合否は)30日までに(西村)監督が決めます」と説明。後半戦で逆転優勝のポイントとなるのは投手陣の整備だけに合格は確実な状況だ。新外国人・ペンの加入で支配下登録選手は現在69人。最後のピースを藪が埋めてV奪回の態勢を整える。

 ◆藪 恵壹(やぶ・けいいち)1968年(昭43)9月28日、三重県生まれの41歳。新宮―東京経済大―朝日生命を経て、93年ドラフト1位で阪神入団。翌94年に新人王を獲得。04年オフにFAとなり05年アスレチックス、08年ジャイアンツでプレー。09年7月にジ軍を解雇された。日本通算84勝106敗、防御率3・57。大リーグ通算7勝6敗1セーブ、防御率4・00。1メートル84、91キロ。右投げ右打ち。

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2010年7月27日のニュース