58打席目で初!ダル攻略砲で山崎が連敗止めた

[ 2010年7月18日 06:00 ]

<楽・日>キッズ会員の子ども達に迎えられる山崎武司

 【楽天4―2日本ハム】41歳のパワーはまだまだ捨てたものじゃない。楽天の山崎武司内野手(41)は17日、1点ビハインドの4回に日本ハムのダルビッシュ有投手(23)から16号の逆転3ラン。6月13日のヤクルト戦(Kスタ宮城)以来となる一撃が決勝点となり、チームの連敗を止めた。24年目の山崎は、対ダルビッシュ通算58打席目にして初アーチ。最下位に沈むチームだが、おじさんは元気だ。

【試合結果


 偶然ではない。プロ24年生の確かな読みがあった。山崎の一振りがダルビッシュを粉砕。お立ち台では「目をつむって振ったら当たりました」とおどけたが、直球をとらえた一発は必然から生まれた逆転弾だった。
 1点を追う4回1死一、二塁。山崎は1ボールから外角低めのスライダーを空振りした。「真っすぐ待ちでスライダーがきた。ただ、自分のタイミングで思い切りよくスイングできた。それを見て捕手の大野がどう感じたか。直後にスライダーは要求しにくい」。意味ある空振りで、プロ2年目の大野にエサをまいた。山崎は3日の日本ハム戦(Kスタ宮城)でダルビッシュから2安打を放ったが、ともにスライダーを強く引っ張った。「前回の対戦で打った安打のことも考えていた」。1ストライク1ボールからの3球目。狙い通りの149キロ直球を右中間スタンドまで運んだ。
 ダルビッシュとは通算58打席目の対決で初本塁打。それまでの対戦成績は打率・164で長打は二塁打3本だけで「プロ24年生ながら、ダルから打てて自信が持てた」。通算379本目のアーチ。本塁打の喜びを知り尽くしている男でも、球界を代表する右腕からの一発は格別だった。
 「ダルに対しては球種を決めて打席に立たないと打てない」。10以上の球種を操る右腕攻略法として「割り切り」を強調する。その日の投球を見て、数種類は頭から外して打席に立つ。思い切りの良さは強いスイングを生み出す。交流戦最多の11本塁打を放ちながらここ21試合はノーアーチ。背中から足にかけて疲労が蓄積。調子は落ちたが「試合に出られない状態だけはつくってはいけない。練習したくても我慢が必要なときもある」とあえて休養を優先するときもある。最高の結果を出すために、ベテランは「割り切る」ことの大事さを体現している。
 「ようやく、しっかり振れるようになってきた。球宴前じゃ遅いけどな」。最下位のチームにカツを与える主砲の一発。シーズンはまだまだここからだ。

 ≪山崎の殊勲本塁打≫今季16本塁打のうち8本が殊勲弾。先制が4本で、同点が1本、同点からの勝ち越しが2本だが、逆転弾は今季初。昨年8月8日の日本ハム戦の初回に逆転2ランして以来。

続きを表示

2010年7月18日のニュース