ミスター超えた!原監督、文句なし“名将”入り

[ 2009年11月13日 06:00 ]

2度目の正力松太郎賞を受賞した巨人・原監督は、花束を手に笑顔でポーズ

 プロ野球界の発展に最も貢献した監督、選手に贈られる今年の「正力松太郎賞」の選考委員会が12日、都内のホテルで行われ、満場一致で巨人・原辰徳監督(51)が選ばれた。今年は3月のWBCで日本代表監督として連覇を達成し、レギュラーシーズンではリーグ3連覇と7年ぶりの日本一を達成。巨人監督としては、恩師の故藤田元司氏に並ぶ2度目の受賞となった。

 無数のフラッシュを浴び、原監督は大きく胸を張った。直前の選考会では満場一致での選出。会見では「日本野球界を代表する賞をいただけてビックリしている。まだ監督として年齢が若く、キャリアも未熟。ステップアップの材料にしたい」と素直に喜びを語り、来季以降の飛躍も誓った。
 “原イヤー”だった。3月にはWBCの日本代表監督として連覇。シーズンでもリーグ3連覇、日本一を達成した。第1次政権1年目で日本一に輝いた02年以来7年ぶり2度目の受賞。巨人監督では長嶋終身名誉監督を超え、80年ドラフトでクジを引き当ててもらった恩師・藤田元監督に肩を並べた。「(前回受賞の際は)選手でも欲しかったと思ったけど、その時も今回も周りへの感謝の思いがある」とWBC日本代表と巨人の選手、関係者に対して感謝の気持ちを語った。
 昨年10月、WBC日本代表監督の選考作業が難航した末、自身に白羽の矢が立った。現役監督でもあり固辞する選択肢もあったが、野球界の発展を願う思いで受諾。激闘の疲れから、シーズン開幕当初は原因不明の体調不良にも陥った。大会後にイチロー、松坂ら日本代表選手が次々に故障や体調を崩し、そのたびにコメントを求められた原監督は周囲に「じゃあ、オレは何(の病気)になればいいんだよ」と語気を強めたこともあった。
 想像を絶する重圧をはね返し、シーズンでも日本一に輝いたことを評価されての受賞。正力元オーナーの「巨人軍は強くあれ」など有名な遺訓について「プロ野球をつくられた“大正力”の夢が刻まれている。それを継承するわれわれの役割は重い。それに近づこうとする意志は持っている」と語った。押しも押されもしない日本の名将となっても、原監督の辞書に「妥協」の文字はない。

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2009年11月13日のニュース