松坂、4年目のリベンジへ“虎の穴”で野球漬け!

[ 2009年11月13日 06:00 ]

成田空港に降り立ったR・ソックスの松坂大輔

 レッドソックスの松坂大輔投手(29)が12日、全日空機でボストンから帰国した。ジーンズに眼鏡をかけた姿で成田空港の到着ゲートに現れると、疲れた様子はなく、今後については「2週間ぐらいのんびりして、早めにトレーニングしたい」と、メジャー4年目となる来季を見据えた。

 開幕前はWBC連覇に貢献し、自身は2大会連続MVPを受賞。しかし、シーズンは2度の故障者リスト入りを経験するなど4勝6敗、防御率5・76と不本意な成績に終わり、プレーオフでも登板機会がなかった。それだけにつかの間のオフとはいえ、休んではいられない。ボストンでは2勤1休のペースでトレーニングを再開。今回は一時帰国で、来月中旬からは、初めてアリゾナ州の最先端トレーニング施設「アスリーツ・パフォーマンス・インスティテュート(API)」に拠点を移し、体力強化を図る。
 松坂が“前線基地”とする「API」は、ドジャースのラミレス、レ軍のユーキリス、ペドロイアら多くのメジャーリーガーがオフのトレーニングを行う“虎の穴”で、全米最大級の施設を誇る。メジャー移籍後は国内で調整してきたが「12月に試しに短期間行って、良ければ1月からも自主トレで行きたい」と環境を一新したい考え。同施設では、基礎的なコンディショニングから栄養学、ケガ防止まで各分野のスペシャリストたちがサポートする。練習は早朝から始まり、野球漬けの1日となるが「トレーニングは何が正解か分からない。いいものを取り入れたい」とどん欲だ。
 メジャー3年目にして初めて2ケタ勝利を逃した松坂。「今年は凄くつらかった。この気持ちを忘れずに来年頑張りたい」と、最高の環境で自身を研ぎ澄ます。

 ◆アスリーツ・パフォーマンス・インスティテュート(API) 1999年にアリゾナ州テンピに設立され、現在はカリフォルニア州などにもある全米最大級のトレーニング施設。NFLやテニスなど世界のトップアスリートがオフシーズンを過ごし、06年のサッカーW杯前にはドイツ代表もトレーニングを行った。大リーグ選手が主に入門するのは「エリート・トレーニング」。基礎トレーニングをはじめ、身体力学、栄養学、除脂肪体重(LBM)の増加など20項目以上の中から講座を選び、投手は足を中心とした下半身の使い方から肩強化なども学ぶ。短期間の集中講座は週6日(2日間は半日)で、費用は700ドル(約6万3000円)からという。

 <メジャー移籍後の松坂の自主トレ>
 06年オフ レ軍入団が決定した後、年内は国内。1月7日に母校・横浜高で始動し、同11日に渡米。キャンプ直前まで周囲の雑音を封印し、ロサンゼルス近郊で練習に励んだ。
 07年オフ キャンプ入りまで国内で調整。1月6日に古巣の西武第2球場で始動。西武・西口らとの沖縄自主トレや、横浜高などでトレーニングを重ね、2月9日に渡米。
 08年オフ WBCに向けて国内でじっくり自主トレ。西武第2球場などの施設を使い、2月6日からは西武の南郷キャンプに参加。レ軍に合流したのはWBC優勝後。

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2009年11月13日のニュース