イチロー、オバマ大統領と接触へ

[ 2009年7月15日 06:00 ]

オールスター戦を前にした記者会見で、スペイン語でのコメントを求められ笑顔を見せるマリナーズのイチロー

 大リーグの第80回オールスター戦は14日(日本時間15日)、カージナルスの本拠地ブッシュ・スタジアムで行われる。ファン投票で選出された9年連続出場のマリナーズ・イチロー外野手(35)は「1番・右翼」で先発出場する。13日の公式会見は約40分間の“独演会”。始球式を行うバラク・オバマ大統領(47)との“接触”を宣言したイチローは2年ぶりのMVP奪回とともに、グラウンド内外で主役の座を狙っている。

 独特の衣装も発言も9年連続出場のイチローだから許される。恒例のオールスター前日会見。一見シンプルなグレーのジャケット姿だったが、襟も袖も本体部分もストライプとグレンチェックの柄で左右非対称。オバマ大統領の始球式について話題が及ぶとイチローは「セキュリティーが大変らしい。迷惑といえば迷惑なんですよ、言ってはいけないですけど」といきなりの爆弾発言だ。
 「なかなか大統領を目の前で見られるってことはないですからね。“WHAT’S UP?(最近どう?)”ぐらいは言いたいです。1番で僕が立てば日本のケースだと、バットを振っちゃうわけですよね」
 メジャーは始球式の際、打者が打席に立つことは極めてまれだ。さらに今回は厳重警備。打席に立つ可能性は低いがイチローは前日、友人と「バットを振ってボールが大統領の頭にでも当たったらどういう事態になるんだ?そういう可能性はゼロじゃない」と話して“対戦”にも備えている。
 もちろん“場外戦”で話題をつくるだけじゃない。会見後の全体練習では“イチローコール”の中フリー打撃。27スイング中5本の柵越えで、スイングを確認しながらライナー性の打球を連発した。バットの意見交換を行ったレンジャーズのヤングは「イチローと話すことは本当にためになる」。スター軍団の中に入っても存在感は大きい。さらに勝敗にはワールドシリーズの開幕権が懸かる。マ軍は地区首位のエンゼルスから4ゲーム差。「昨年は棺おけに全部入っていたけど、今年は野球ができている」。勝利に向かう姿勢は過去の球宴と比べても大きい。
 会見の最後にはドミニカ共和国の女性リポーターから「スペイン語でメッセージを」と振られ「Me siento muy bien(メシエントムイビエン=とても気分いいよ)」と笑顔で語ったイチロー。世界が背番号51のパフォーマンスに注目している。

続きを表示

2009年7月15日のニュース