宮出ちゃ~ん!代打で移籍1号決勝弾!

[ 2009年7月15日 06:00 ]

<西・楽>西武を破り、笑顔でハイタッチをする宮出隆自(右)ら楽天ナイン

 【楽天8―6西武】指揮官はちゃっかりしていた。「はい、宮出ちゃ~ん!」。試合後のハイタッチ。楽天・野村監督は満面の笑みでヒーローを出迎えた。同点の9回2死二塁で、代打起用の男が決勝の1号2ラン。本人も「入っちゃったよ…とビックリした」。07年9月5日の広島戦(神宮)以来2年ぶりの一発で、4点差をひっくり返す逆転劇を締めくくった。

 狙い球として指示されていたのはフォーク。その初球を見逃してしまい「迷ったらダメ。ストライクが来たら打とう」。そして2球目の135キロシュートを強振。打球は右翼フェンスを越えた。「打てたことより、チャンスをもらえたことが一番うれしい。やっと自分の力を出せました」。今年3月にヤクルトからトレード移籍。ようやく大砲として結果を出した。
 試合前のベンチ。ヤクルト時代の教え子・石井一から「宮出をお願いします」と頼まれた野村監督はこう返した。「うどの大木ゆうてな。何の役にも立たんわ」――。宮出はヤクルト監督時代の96年に入団。当時は1メートル90の大型投手だった。その後、野手転向。巡り巡っての値千金弾に、指揮官は「うどの大木?取り消すわ。失言の多い監督なんで…。オレのジョークはきついから」と頭をかいた。
 8回2死一、二塁でも、代打起用した打率・176のセギノールが同点3ランを放ち「確率の悪い宝くじが当たったわ」。西武ドーム名物の長い階段。「会心の勝利や」という74歳野村監督の足取りは軽かった。

続きを表示

2009年7月15日のニュース