イチローから14点大勝!韓国コールド粉砕

[ 2009年3月8日 06:00 ]

<韓国・日本>2回無死一、二塁、イチローはセーフティバントを成功させる

 侍ジャパンが2次ラウンド進出一番乗りだ。第2回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)の日本代表は7日、韓国と対戦し、14安打14得点の歴史的なコールド大勝を収めた。マリナーズ・イチロー外野手(35)が初回に放った右前打が口火となり、北京五輪で抑え込まれた金広鉉(キム・グァンヒョン)を完全攻略。宿敵との大一番で、イチローはさすがの3安打1盗塁。日本は1次ラウンドA組の2位以上が確定。15日(日本時間16日)から米サンディエゴで始まる2次ラウンド1組への進出を決めた。

 イチローはまたしてもナインの一番最後にベンチ裏に姿を見せた。試合後に待っていたのは、5日の中国戦に続くドーピング検査。「2回続いてドラッグテストはないよね。ランダム(で抽選していること)は僕は信じません」と苦笑した。
 宿敵との大一番。その第1打席にイチローの「相手の得意な球を打つ」というこだわりが凝縮していた。北京五輪で日本がスライダーを中心とした変化球に苦しめられた金広鉉との初対戦。初球の141キロ直球を平然と見送った。2球目、低めのカーブを確実にミートして右前に運んだ。強化試合など実戦では17打席ぶり、今大会初安打に「懐かしいと思いましたね」と振り返った。この一撃が中島、青木の連打を呼び込み、プレーボールからわずか3分後、わずか6球で“日本キラー”から先制点を奪った。
 2回無死一、二塁では、相手三塁手の巨体を視野に入れて三塁線へバント安打。4回には追い込まれながら中前に運び、二盗も決めた。これまでのうっぷんを晴らす3安打で、チームに勢いをもたらした。
 開幕前のまさかの不振。無安打が続いた心境はどうだったのか。「めったに来ない人からメールが来たり電話があったり。多分、そういうこと(=不振)なんだろうなと。ちょっと面白かったですけど」とおどけたが、ビッグゲームでの猛打はさすがとしか言いようがなかった。
 東京での最終調整が始まった2月27日。「(ゴルフの)打ちっ放し」と表現していたフリー打撃で、打球の質が変わった。コースに逆らわず、確実にライナーを飛ばす。高めを強引に打ちにいかなくなった。柵越えの本数はこの日を境に激減。試合前もわずか4本にとどまったが、芯でとらえる作業に没頭した。打席での構えにも前かがみになり過ぎず、一度反り返るように背筋を伸ばすなど微調整を加えた。
 3年前にはアジア諸国に圧倒的な強さで勝つことを宣言し、韓国チームからバッシングも受けた。その言葉通りの勝ち方を見せつけた1勝。「テンションはそりゃあ違いますよ。(ゲームの)ドラゴンクエストでテンションが上がって強くなる。ああいう感じでしょうね。きょう(2次ラウンド進出を)決めたかったし、それが達成できてよかった」と独特の言い回しで韓国戦にかける思いを表現した。「完全復活?それはきょうの態度や行動から察してください」。激勝を演出しても、最後は“らしく”クールに締めた。

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2009年3月8日のニュース