4番・村田3ラン!内川2打点!原采配ズバリ

[ 2009年3月8日 06:00 ]

<韓国・日本>2回1死一、三塁、左越え3ランを放ち、ベンチのナインに迎えられる村田修一

 【WBC 日本14―2韓国】指揮官の“覚悟”が、侍戦士のバットに乗り移った。お立ち台。原監督は「内川の2点タイムリーが大きかった。追い上げられた中での村田の本塁打も、これまた大きかった」と自ら2人の名前を挙げて称賛した。用兵がズバリ的中した。

 一の矢。昨年の首位打者・内川を6番・一塁でスタメン起用した。「彼は対左投手のために(代表に)選んだ。非常にいい仕事をしてくれた」と原監督が振り返ったのは初回2死一、二塁。初球、内川はど真ん中の直球を見逃した。「マウンドで金広鉉がニヤッと笑っていて…。負けられないと思った」。そしてカウント2―2から133キロスライダーを左翼線へ2点二塁打。昨季の対左投手の打率が・439の内川は「左を打たないと自分の意味がないから」と胸を張った。
 二の矢。試合前に「覚悟を決めて勝負にいく」と話していた原監督は、稲葉に代え村田を4番で起用した。イチローから左、右と続くジグザグ打線。その核となった男が期待に応えた。2回1死一、三塁。カウント2―1から5球連続ファウルで粘った末の10球目だ。125キロチェンジアップを左翼席最前列へ。5日の中国戦に続く2試合連発の3ラン。北京五輪では金広鉉に2打数無安打だった主砲は「スライダーをファウルしていたんで、投げる球がなくなったんじゃないですか。4番?意識はない。走者がいたら還す。それだけ」と堂々と言い放った。
 必殺オーダーとともに、宿敵左腕攻略には徹底したデータ分析も生きた。「ゾーンを少し上げて、低めをどれだけ我慢できるかがポイントだった」と伊東総合コーチ。加えて試合前ミーティングでは、相手の決め球スライダーを「打てないなら(逆に)振っていって狙っていこう」と選手間で確認した。内川はそれを痛打し、村田は粘り勝ちした。北京組の村田、青木らからイメージを聞いていたという内川は「それがなければ打てなかった。チームが1つになることがどれだけ大きいか。きょうで代表の一員になれたと思う」と上気した顔で話した。
 北京で1度は失墜した日本野球の底力をまざまざと見せつけての1勝で、次なるステージに歩を進めた侍ジャパン。「向かってくる敵には必ず、堂々と戦って勝ちます」。原監督の表情は自信に満ちあふれた。

続きを表示

2009年3月8日のニュース