常葉菊川、3戦連続逆転勝ちも「不安は残ります」

[ 2008年8月16日 16:20 ]

智弁和歌山、猛追も及ばず…常葉菊川、2年連続4強!

痛む左ひじ…常葉菊川左腕それでも「エースなんで」

初めて狙ったが…天を仰いだ“怪物”智弁和歌山・坂口

甲子園56勝監督ムッ…新記録はお預け

 【常葉菊川13-10智弁和歌山】常葉菊川の佐野監督は、智弁和歌山を「目標とするチーム」と言う。その強力打線に打ち勝っただけに、破壊力がさらに際立つ。3試合すべてが逆転勝ちとしぶとく2年連続の4強入りを決めた。
 5回に3―2と逆転して迎えた6回。前田の打席に常葉学園菊川の野球が凝縮されていた。無死一、二塁でカウント0―3から犠打は狙わず積極的に振った。1球ファウルの後「狙っていた」という132キロの直球を仕留めた。「打った瞬間にいくかなと思いました」。ぐんぐん伸びる打球に智弁和歌山の左翼を守る高橋はすぐにあきらめたように下を向いた。
 エース戸狩がひじを痛めながら5回途中から救援で登板。「何とかあいつを助けないと」(前田)という気持ちを結果に結び付けた。結局、この回は打者15人の猛攻で10点を挙げて大勢を決めた。佐野監督は「本塁打はたまたまだけど、うちらしい(打撃)」と教え子たちをたたえた。
 昨春の選抜大会を制して旋風を巻き起こしたフルスイング野球の健在ぶりは示したが、8、9回で8失点と智弁和歌山に猛烈な追い上げを許した。故障を抱える戸狩、先発した野島、萩原、浅川の4人を投入したが、昨年のエースだった田中(現横浜)と比べれば、いずれも心もとない。佐野監督は「不安は残ります」と投手陣への心配を隠さずに吐露した。危ういバランスを抱えたまま昨夏、越えられなかった準決勝の壁に挑む。

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2008年8月16日のニュース