初めて狙ったが…天仰ぐ“怪物”・坂口

[ 2008年8月16日 16:12 ]

<智弁和歌山―常葉菊川>9回表智弁和歌山2死、三ゴロに倒れた坂口。投手戸狩

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 【智弁和歌山10-13常葉菊川】3点差に迫った9回二死走者なし。打席に入った智弁和歌山の4番坂口は、今大会初めて本塁打を狙った。「最後に4番の仕事がしたかった」。初球を強振したが結果は三ゴロ。「終わったな」。一塁ベースを駆け抜けると天を仰いだ。
 3回戦の駒大岩見沢戦で大会史上初の1イニング2本塁打。大会屈指のスラッガーが打席に立つと、4万3000人の大観衆はかたずをのんで、その一挙手一投足を見守った。
 1点リードの3回一死一、二塁の好機では二飛に倒れ、追加点を奪うことはできなかった。「きょうは気持ちに迷いがあった」と坂口。10点差で迎えた8回は2点三塁打を放ち意地を見せた。しかし、試合の流れが決まった後の反攻だった。
 試合後は止まらない涙をふきながら「自分の力は出し切った。悔いはない」と言い切った。高校球史に確かな足跡を残した怪物が甲子園を去った。

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2008年8月16日のニュース