“満塁役者”大松 月間31打点落合超え

[ 2008年7月29日 06:00 ]

<ロッテ・楽天>10回2死満塁、ロッテ・大松が右翼へサヨナラ安打を放つ

 【ロッテ4―3楽天】高々と舞い上がった打球が、右翼手・中島のグラブをかすめるようにフェンスを直撃した。千両役者ならぬ“満塁役者”。すでに二塁を回っていたロッテの大松はガッツポーズだ。延長10回2死満塁。歓喜の瞬間は、やはりこの男が運んできた。サヨナラ打。これで今季の満塁機での成績は12打数7安打、打率・583だ。

 「自分でもビックリするくらい満塁で回ってくる。最近プレッシャーになっていたけど…。開き直っていきました。落合さん?正直うれしいです」。4回には右翼へ同点の18号3ラン。この時点で月間30打点となり、ロッテ時代に落合(中日監督)が3度マークした27打点を抜いた。サヨナラ打と合わせて31打点。アルトマンが持つ月間32打点(71年6月)の球団記録にも肉薄した。
 最近6試合は打点ゼロ。疲労に加え、偉大な先輩の記録を超えようとプレッシャーを感じていた。打撃フォームも崩れ「タイミングが遅く、打席で受けるような感じになってしまって」。福岡から帰京した前日、深夜に眠い目をこすりながら自宅で好調時のDVDをチェック。その結果がサヨナラ打につながり「頭が整理できた。ちょっと差し込まれていたけど自分のスイングができたから」と胸を張った。
 本拠地でアーチを放てば11戦全勝。主砲がチーム全打点を叩き出して連敗も3で止まった。29日の7月最後の試合で「あと1打点。新記録がつくれるよう頑張ります」。最高の月を、そして前半戦を快打で締める。球宴には出場しないが、この男の凄さはロッテファンの誰もが知っている。

続きを表示

2008年7月29日のニュース