星野監督 マー君を球宴で五輪テスト

[ 2008年7月29日 06:00 ]

壇上であいさつをする(左から)野球日本代表・星野監督、福原愛旗手、鈴木桂治主将

 マー君の五輪は球宴で決める。北京五輪に出場する日本代表・星野仙一監督(61)は28日、都内で行われた日本選手団の結団式前に緊急スタッフ会議を開き、右肩痛を訴えている楽天・田中将大投手(19)について対応を検討。田中自身が球宴への出場を宣言したことを受け、その投球内容を見て結論を出すことを決めた。登板が有力な8月1日の球宴第2戦(横浜)で、田中は100%の投球を見せることが北京への条件となる。

 田中が球宴&五輪のW出場宣言をしてから約2時間半。結団式の1時間半も前に星野監督はコーチ陣を招集し、緊急スタッフ会議を開いた。議題はもちろん右肩痛を訴えている田中の処遇。最終判断は球宴のマウンドを見てからとなった。
 「ダメならなるべく早く決めてやりたいけど。でも様子をもう少し見る。球宴でどういうピッチングをするかやな」
 23日のMRI(磁気共鳴画像装置)検査で軽傷と診断された田中は、すでにキャッチボールを再開。予定通り球宴第2戦の抑えでの登板へ調整している。しかし、日本野球機構(NPB)を通じて楽天球団から報告を受けた星野監督は、マー君のGOサインには慎重だ。もしもの場合も想定して、同じ楽天の岩隈を代替選手の有力候補に挙げていた。
 「ただ“いけます”じゃなく、打者を抑えてくれないと、相手をやっつけてくれないと…」。北京では全試合、早い回からブルペンで肩をつくって待機させる。先発もロングリリーフもあるフル回転を期待。100%完治していなければ務まらないポジションだからこそ、球宴での登板にハードルを設けた。
 23日までに最終エントリーを終えたメンバーの入れ替えは、開幕前日の8月12日を期限に最大5選手まで可能。だが、大野投手コーチは「もう1人の問題じゃない。代わりになる選手のモチベーションのこともある」と球宴での登板がそのまま最終試験的な意味合いを持つと説明。さらに「登板後の状態を見る必要もある」とも続けた。
 「この24人で合宿に入るよ」。星野監督は現メンバーで8月1日に集合する方針を示したが、田中の投球内容次第では集合直後に入れ替えの可能性もある。本来なら、お祭りムードを楽しむのがオールスター。だが、北京へ意欲を見せる田中には、ハマスタのマウンドが必死のアピールの場となる。

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2008年7月29日のニュース