阪神の巨漢右腕 外野から投手転向の変わりダネ

[ 2008年7月29日 07:21 ]

27日の中日戦で7回に来日初登板を果たしたリーソップ

 191センチ、98キロの巨体に丸刈り頭。一見、周囲を威圧する風ぼうだが、実際は紳士だ。阪神の新外国人クリス・リーソップ投手は「(日本は)メジャーと遜色ない。ここで成功したい」と、新たな野球人生に胸を高鳴らせている。

 もともとは強打の外野手だった。だが、試合中にけがをし、周りの勧めもあって2003年から投手に転向。早くも05年にはメジャーで初登板を果たしている。見事な“変わり身”に「ピッチャーをやって、良かったと思っているよ」と屈託なく笑う。
 日本について知識はなく、移籍を迷った。そんな時にアドバイスしてくれたのが、ブレーブスの同僚で日本球界をよく知る人物。01、02年と阪神に在籍したカーライルだった。「食事など、日本のいろんなアドバイスをもらった。阪神もいいチームだと聞いたよ」と、日本行きを後押ししてもらった。釣り好きで、同じ趣味の矢野に話し掛けるなど、既に周囲とのコミュニケーションを積極的に図っている。
 「パワーピッチャー」と自負する通り、直球には力がある。来日初登板となった27日の中日戦では150キロ台の速球を連発し、最速は156キロ。甲子園の熱狂的な声援を初体験したが「マウンドに行ったら、何も聞こえなくなる。キャッチャーしか見えない」と、動じることはなかった。
 藤川が抜ける北京五輪期間に向けた緊急補強だが、球団は五輪以降も「JFK」を助ける戦力として期待し、来季終了まで契約を結んだ。25歳右腕は「日本は自分の素質を最大限に開花させてくれる」と、新天地でのステップアップに意欲をのぞかせた。

 ◆クリス・リーソップ投手 01年にマーリンズ入団。けがで03年から投手に転向。07年にエンゼルス、08年にブレーブス移籍。メジャー通算で57試合に登板し3勝3敗、防御率5・60。191センチ、98キロ。右投げ右打ち。25歳。米フロリダ州出身。

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2008年7月29日のニュース