大量15点援護で涌井ようやく初勝利

[ 2008年4月11日 06:00 ]

<西武・ロッテ>今季初勝利の涌井(左)は細川に肩をもまれる

 【西武15―5ロッテ】今季初勝利のウイニングボール。だが西武の涌井はスタンドに投げ込んだ。

 「僕が持っていても転がっているだけ。それなら投げた方がいいでしょ」。記念ものに無頓着の涌井らしいファンサービス。逆に試合では打線から今季初めて大量援護をもらい「今までより全然良くなかったけど、点をもらって楽に投げられた」と感謝した。
 勝負どころもあった。3回、2点を返され、なおも1死一、三塁のピンチ。迎えたのは3番の西岡だった。今季初対戦。昨年の北京五輪予選で交流を深めキャンプ中には頻繁に電話で連絡を取り合うなど仲がいい。2日前にも食事をともにした。「剛さんだけには絶対に打たれたくない」。2歳上のライバルに闘志を燃やしフォークで空振り三振に仕留めた。
 今季初めて開幕投手を務めたため、エース級との投げ合いが増えた。オリックス・金子と2度、日本ハム・ダルビッシュと1度。この日はロッテの久保に投げ勝ったが、今後のエース級とのマッチアップも「自分を成長させてくれるし、楽しめる」と目を輝かせる。
 次回登板は中5日で16日の日本ハム戦(西武ドーム)。試合後にダルビッシュからメールが届き、内容は伏せたものの「(投げ合う相手は)おそらくD君だと思う」とニヤリ。前回3月27日は延長戦で敗れたが、9回までお互い無失点と譲らなかった。「あいつに負けたわけじゃない。2人ともいい投球をしたい」。いつも淡々と話す涌井だが、その言葉だけ熱かった。

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