白鵬「30」でストップ!1敗で9人並走、大混戦

[ 2010年1月17日 06:00 ]

把瑠都に連勝をストップされ渋い表情の白鵬

 大相撲初場所7日目は16日、両国国技館で行われ、横綱・白鵬の連勝が「30」で止まった。過去11戦全勝と相性抜群の関脇・把瑠都との対戦で、右四つの万全の体勢を作ったが、最後はまさかのすくい投げで敗れ、7日目で土がついた。横綱・朝青龍は北勝力にダメ押しの張り手を食らわす闘志むき出しの相撲で1敗をキープ。7日目を終えて白鵬ら9人が1敗でトップに並ぶのは1984年初場所以来という大混戦となった。

 勝敗が決した土俵上で白鵬はぼう然と立ち尽くしていた。過去11戦全勝とカモにしていたはずの関脇・把瑠都との一番。立ち合いで、前日6日目までと同様に鋭い踏み込みから即座に右差し左上手を取り、万全の体勢に。しかし、ここから把瑠都に差した右を巻き替えられると、そのまますくい投げられて土俵に左手をついてしまった。まさかの展開に、館内もしばらくは静まり返ったままだった。
 昭和以降では史上3人目となる2度目の30連勝を達成した翌日にあっさり連勝ストップ。ムッとした表情で支度部屋に戻った横綱は「巻き返しはタイミングも良かったし…まあ反省です。最後、ひと呼吸置けばよかった。ちょっと(自分の)上手が深かったのかな」と反省の弁を繰り返した。さらに、30連勝達成による気の緩みを問われると「そう、甘さ。相手を甘く見たのもそうだろうし、いろいろある」と悔しそうに自己分析した。
 身長1メートル97、体重184キロの「エストニアの怪人」相手に正攻法で挑み過ぎた。横綱は場所前の最後の出稽古で20番の申し合いをこなした際に右手首を打撲。土俵以外の場所では常に患部に湿布を施している「違和感のある」状態で、利き手である右の握力も当然落ちていた。怪力・把瑠都に容易に巻き替えられたのもそのためで、専属トレーナーの執行稔氏も「万全ではなかった」と明かした。
 単独トップもわずか1日限り。この日「1」差で追う朝青龍らも順当に白星を重ね、優勝争いは1敗で9人が並走する大混戦になった。「(今の自分には)こんな力しかないんです。この負けが引きずる1敗にならなければいいんですが」と力なく話した白鵬。支度部屋を後にする足取りはいつになく重かった。

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2010年1月17日のニュース