長島、リンク新V!韓国勢抑え金メダルへ視界良好!!

[ 2010年1月17日 06:00 ]

男子500メートルを制した長島はガッツポーズ

 スピードスケート・世界スプリント選手権第1日は16日、北海道帯広市・明治北海道十勝オーバルで行われ、昨季男子総合2位のバンクーバー五輪代表、長島圭一郎(27=日本電産サンキョー)が500メートルを35秒01のリンク新記録で制し、五輪での金メダル獲得へ弾みをつけた。1000メートルは1分10秒99の9位で、総合では3位につけた。

 長島が珍しく、何度も両手でガッツポーズをつくって喜びを爆発させた。「フライングだと思ったので複雑な気持ちもあったけれど、タイムも成績も良かった」。果敢な飛び出しで最初の100メートルを出場39選手最速の9秒62で通過すると、最後まで低い美しいフォームを崩さずに35秒01をマーク。同走の今季W杯得点ランキング1位のイ・ガンソクに競り勝ち、後から滑った同2位のイ・ギュヒョクにも抜かれなかった。今大会は前回総合優勝のシャニー・デービス(米国)ら一部海外勢は移動の負担を考慮して欠場したものの、W杯ランク上位5人のうち4人が出場。金メダル最有力候補の韓国勢を抑える堂々の1位だった。
 「チケットも売れていると聞いていたし、地元で恥ずかしいレースはできないと思っていた。今季初めて緊張したけれど、いいレースができた」
 実家は会場から車で30分の池田町で、今大会には両親ら家族4人を招待。今季オープンしたばかりの室内リンクには1000人以上のファンが駆けつけた。大きな期待を背負う重圧の中で結果を出せたことが収穫だった。
 昨季は昨年3月の世界距離別選手権で7位に終わるなど大事な終盤戦で失速した。後半戦で体重が落ちた反省から、今季は例年より体重を2~3キロ増量し、徐々に絞っていく作戦を取った。この日はベストの70キロ。昨年末の代表選考会は3位に終わるなど、ここまでは調子はいまひとつだったが「年明けから調子を上げていく」と宣言した通りの結果に「体は動いたと思う。予定通りです。うまくいくもんだな。さすがだな」と冗談めかしながら自画自賛した。
 1000メートルは9位で、総合は3位。総合優勝は難しいが、今季は五輪でメダルに近い500メートルに絞って練習を積んでおり、想定内の結果だ。トリノ五輪13位の惨敗から4年。メダル候補として臨むバンクーバー五輪まであと1カ月。「怖いぐらいに順調にきている」。目標の金メダル獲得に一歩近づいた。

 <応援の父も「つええな」>スタンドで観戦した長島の父・勝二さん(61)は「知っている人が大勢いる前でアピールしてくれた。つええなと思う」と喜んだ。麦やビートを生産する農家で、この日は「(飼育している)牛の世話は知人に頼んできた」という。「経験を積んだ分、トリノの頃より少しは落ち着いているように思う。年齢的にも勝負をかけている。頑張ってほしい」と五輪にも期待していた。

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2010年1月17日のニュース