残念!フィギュアペア肺がん克服の井上怜奈が引退表明

[ 2010年1月17日 10:06 ]

2枠を争うペアで3位に終わった井上怜奈、ジョン・ボルドウィン組

 バンクーバー冬季五輪予選を兼ねたフィギュアスケートの全米選手権は16日、米ワシントン州スポケーンで行われ、2枠を争うペアで井上怜奈、ジョン・ボルドウィン組は173・18点の3位に終わり、7位だったトリノ大会に続く五輪の代表には選ばれなかった。演技後に2人は引退を表明した。

 33歳の井上は1992年アルベールビル五輪のペア、94年リレハンメル五輪の女子に日本代表として出場した。その後に見つかった肺がんを米国で治療し、2005年に米市民権を取得。米国代表でトリノ五輪に出場した。
 前日のショートプログラム(SP)で4位と出遅れた井上組はこの日のフリーで115・41点の2位に入ったが、合計点で2位に0・60点及ばなかった。SP1位のケイディー・デニー、ジェレミー・バレット組がフリーも1位で優勝し、2位のアマンダ・エボラ、マーク・ラドウィグ組とともに五輪代表に選ばれた。井上組は補欠に選ばれた。

 ▼井上怜奈の話 自分が望んでいた通りの演技ができた。最高だった。これ以上、望むことはない。こういうかたちで終わることができて、自分は幸せ者。小さい子供にスケートを教えるのが夢。しばらくゆっくりして次のスタートを切りたい。
 ▼ジョン・ボルドウィンの話 自分たちのできることをやった。ジャッジはコントロールできない。五輪にも行ったし、国内でも7年間、トップランクのペアでいられた。どれほど素晴らしい競技人生だったか。僕たちには何の後悔もない。

 ◆井上 怜奈(いのうえ・れな)ぜんそく治療のため4歳でスケートを始める。92年アルベールビル冬季五輪にペアで、94年リレハンメル五輪にシングルで日本代表として出場。がんなど数々の困難を乗り越えて競技を続け、05年に米国籍を取得し、米国代表として2006年トリノ五輪にペアで出場。兵庫県西宮市出身。33歳。
(共同)

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2010年1月17日のニュース