ソフトバンク・川村 “地元・仙台が打たせてくれた”プロ初スタメン初安打初打点 両親の前で最高の恩返し

[ 2024年4月7日 06:00 ]

パ・リーグ   ソフトバンク5-4楽天 ( 2024年4月6日    楽天モバイル )

<楽・ソ>9回、プロ初安打となる適時打を放った川村はガッツポーズ(撮影・篠原岳夫)
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 “仙台”が打たせたプロ初ヒットだった。3―2で迎えた9回1死三塁、開幕直前に支配下選手登録されたソフトバンク・川村は渡辺翔の150キロを捉え、左前へプロ初安打となる適時打を放った。プロ初の先発起用は前日6日の試合後に突然、告げられていた。

 「明日、スタメン」とバスに乗る前に小久保監督から耳打ちされた。そこから緊張する。「なかなか、寝付けなかった」と朝を迎えた。DHに入った柳田に代わる「7番・右翼」。2打席目までは凡退し、迎えた0―0の7回1死一、三塁。代打の切り札・中村晃も控えていたが、2軍監督時代から川村を指導してきた小久保監督の頭には「仙台」の2文字が浮かんでいた。

 「3打席目も代打を用意したけど、きょうは川村にかけてみた。第二の故郷だしね」。松前漬けで有名な北海道松前町で生まれ育ち、札幌ドームで“稲葉ジャンプ”に感動し、憧れた少年は仙台大へ進学。この楽天モバイルパークは「プロを意識し始めたのが大学。思い入れ、思い出もある」と語る場所だ。期待に応える先制の左犠飛が、9回の記念の一打へとつながった。

 初めてのヒーローインタビュー。記念ボールの行き先を聞かれると「北海道から家族が見に来てくれているのであげたいです」と即答した。この日、松前町から両親が観戦に訪れていたのは「エスコン行くより、(時間的に)近い」という理由。たまたまだが、最高の親孝行となった。

 「結果が出てよかったですけど、まだまだ、緊張する気持ちは忘れずにいきたい」。生涯、忘れられない日だが川村は初心に戻ることも忘れなかった。

 ≪開幕直前に支配下登録≫◇川村 友斗(かわむら・ゆうと)1999年(平11)8月13日生まれ、北海道出身の24歳。北海では2年夏の甲子園に出場し、3回戦と準々決勝で本塁打を放つなど準優勝に貢献。3年夏も出場した。仙台大を経て21年育成ドラフト2位でソフトバンクに入団。1メートル81、88キロ。右投げ左打ち。

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