打撃理論の奥深さに感服 ソフトB・山川 開けてビックリ「山川の引き出し」聞き逃さないようにしたい

[ 2024年3月3日 12:38 ]

打撃練習する山川(撮影・岡田 丈靖)
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 めちゃくちゃ練習するし、とにかく、めちゃくちゃしゃべる。西武からFAで移籍しソフトバンクに今季加入した山川穂高内野手(32)のことだ。独特の打撃理論が奥が深い。

 「バットを構えてから、インパクトまでは上から縦振りのスイング。そして、インパクトのときに右足を回転させて、体の捻転で打ち上げる。低めの場合は、体をかがめながらの同じスイング」

 身振り手振りを交えて、教えてくれる。バットに白球を叩きつけて、下半身のひねり、回転で打球に角度を付けて、打ち上げるから弾道は放物線を描く。今季のチームのスローガンは「VIVA(ビバ)」。アルファベットの「V」のようなスイングかを問うと、笑顔で「違います」と即答された。

 本塁打の理想は「コンマ何秒かの世界で“タ、タン”」で打つことらしい。独特の擬音語での表現だ。「タ」で叩きつけて「タン」で振り上げて、スタンドまで放り込む。難しいが、その説明を丁寧にしてくれるから何か、面白い。

 宮崎春季キャンプ中の2月14日から、リチャードとオフ返上で屋内で打撃練習を続けた。中旬から28日まで3度の休みを挟んで休み無し、ぶっ通しでバットを振り続けた。沖縄県産の巨体リチャードは「勉強になることばかり」と興奮していたが山川は「特に教えてませんよ。僕は、指導者ではないので。バッティング雑談です」とはぐらかした。ただ、リチャードには主に1点だけ。右足の使い方を指摘するとB組(2軍)での練習試合で二塁打2本と復調した。

 とにかく、打撃の引き出しが多い。でも、うわべだけしかまだ知らない。知ったかぶりは、嫌われる。警戒される。今季でプロ11年目。何が出るか、飛び出すか分からない、山川の引き出し。開けてびっくりを聞き逃さないようにしたい。(記者コラム・井上満夫)

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