カブス今永昇太 OP戦初陣一問一答 生き残りへ「上回ろうとするんじゃなくどこか異ならないといけない」

[ 2024年3月3日 09:02 ]

投球を振り返るカブス・今永(撮影・柳原 直之)
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 カブスの今永昇太投手(30)が2日(日本時間3日)、敵地でのドジャース戦に先発してメジャーオープン戦初登板。ドジャースの大谷翔平投手(29)は欠場して初対決はお預けとなった。初回は3者凡退に抑えて落ち着いた立ち上がりを見せたが、2回に3ランを被弾。2回1/3を3安打3失点ながら2020年MVPのフレディー・フリーマン内野手(34)から空振り三振を奪うなど、計5三振を奪って見せ場もつくった。

 試合後の一問一答は以下の通り。

――いいも悪いもいろいろあったと思うが?
「純粋にまずスプリングトレーニングとはいえ、いい結果が出なかったことに対しては物凄く悔しい気持ちですし、この悔しい気持ちをもって次の登板に臨みたいと思います」

――2回はホームランを打たれた後に3者連続で三振を取った。
「その後はしっかり冷静になって。ストレートは自分の中では走っていたつもりではいたんですけど、ああいうふうにはじき返されてしまった。これはしっかりと変えなければいけないと思って、変化球をバランス良く投げていった。そういう点はよかったと思います」

――アリゾナの乾燥する気候でまだしっかり指にひっかかっていないようにも見える。
「もう少し、例えばバッター側に押し込めたりとか、もっと力を抜いて楽にファウル、カウントを取れれば自分としても余裕を持って1球1球投げられる。今は全力で全てを出しにいっている感覚なので、そういったところがもう少し調整できればと思います」

――そういうところを実戦で感じられたのはよかったか。
「そうですね。実戦の中でしかできない反省も数多くありますし、今日点を取られたことも次の実戦で同じ失敗をしないように、というその繰り返しだと思うので次は同じミスをしないようにやりたいと思います」

――初球にいきなりピッチクロックのバイオレーション(違反)を取られていたが、あそこは動揺などあったか?
「そのルールの確認を自分でもはっきりしていなかったので、実戦の中でそういうのがあると起これば、次は気を引き締めて取り組めますし、そこが確認できただけでもよかったです」

――具体的に何が違反だったか。
「40秒以内にラストボールを投げないと次のバッターの初球がボールから始まるということで。そこは2分以内に終わればいいと思っていたところが自分の勘違いではあったのでそこは反省点です」

――5つ三振を取った。チェンジアップはいかがですか?
「自分がいいと思った真っすぐが、必ずしも相手はいいと思わないですし、投げきったボールでもああいうふうにホームランにされてしまうこともある。僕がここで生き残るためには真っすぐと変化球のバランスをその試合の中でどう配分を変えるかだと思う。やはり相手が待っていないボールを予測して投げなければ通用しないときもあると思う。そこを冷静に判断して強引にいってはいけないところを確認して投げたいと思います」

――終わった後に大谷、山本選手と会っていた。
「日本ではない場所で日本人と会うと安心しますし、2人とも頑張って結果を残しているので、そこで後れを取らないように自分も結果を残して、早く追いつけるようになりたいなと思います」

――強打者と対戦したいと言っていたが、実際対戦してみて。
「いいバッターはポイントが近いですし、ホームランとファウル、空振りは紙一重だなと感じました。マンシー選手のライト前なんかは絶対空振りしないような雰囲気もありましたし、ああいうバッターをどう抑えるか、自分の手の内を全て明かさない中で抑えるのが大事だと思うので、そういうバッターと18.44メートルの中で雰囲気を感じられただけでもよかったと思います」

――投げたボールの中で一番何がよかった?
「最後5個目の三振が3-2から自分で首を振ってチェンジアップを選択してああやって空振りを取れました。あれが自分の中で強引に真っすぐいってホームランを打たれることがよくあるので、あそこで一歩引いて自分を客観的に見てチェンジアップを選択できたというのはよかったと思います」

――最速は94マイルだった
「最後の3イニング目は91前後だったので、コンスタントに93くらい出したいと思っています。やはりこっちの平均球速は速いので、何度も言いますけど生き残るためにはその人たちを上回ろうとするんじゃなく、どこか異ならないといけない。リラックスしたフォームから急にボールが出てくるとか、何かタイミングが合わないとか、そういったところで勝負しないと生き残れないので。もっとリラックスして力を抜いて、93マイル、94マイルが出るようなそんなメカニズムで投げられたらいいなと思います」

――フリーマンに対してカウント2-2から真っすぐを狙って高めに外れたが、もう1回真っすぐを投げて空振り三振。
「欲を言えばもっと高く投げて空振り取れたらよかったけど、あれも中途半端な真っすぐではあるので、コーチにもよく“もっと高め、もっとゾーン上げていい”と言われますが、自分の中で日本時代に投げていた高めの真っすぐ。高めに離す感覚とやはりまだギャップがあるので、ストライクゾーンの確認のためにももう少し上げて直球を投げてもいいかなと思う。まだちょっとだけそこのギャップがあるので、そこを埋めていければいいなと思います」

――2イニング目は変化球が多めだったが、投球プランは?
「キャッチャーのアマヤ選手がそこをしっかりくみ取ってくれて、変化球とバランスよくサインを出してくれた。僕もすべての球種を投げる準備はできていましたし、打たれた後ああいうふうに抑えられてよかったと思っています」

――初回は直球を試したのか。
「そうですね。とにかく真っすぐが一番軸ではあるボールなので、先頭打者の選手と3番のスミス選手には高めの自分では押し込んだと思ってもフェンス際まで飛ばされていたので、これがバッターの違いかなと思いながら初回はチェックしていました」

――逆球が少なかった。
「四球がなかったというのは、ものすごく収穫ですし、やはり四球×長打というのは一番やってはいけないので、そこが自分の課題でもあるので。四球を出さなかったところ、そこだけは今日の登板では自分の中で合格点をあげてもいいかなと思います」

――投手コーチが楽しんでほしいと言っていたが、楽しめたか?
「緊張ももちろんしましたし、こういう雰囲気で投げるのも初めてだったので、投げてる最中はなかなか楽しいと思えなかったですけど。これからはしっかりと試合も楽しみながら、いい結果を出せるようにもっとリラックスして投げられればいいと思います」

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