広島・九里 初の開幕投手へ順調発進 新フォーム&新球に手応え得て4回零封「しっかり準備したい」

[ 2024年3月3日 05:45 ]

オープン戦   広島1ー3楽天 ( 2024年3月2日    倉敷 )

<楽・広>4回を終え、笑顔でベンチに戻る広島・九里 (撮影・奥 調)
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 初の開幕投手を務める広島・九里亜蓮投手(32)が今春初の実戦で好発進した。2日の楽天戦(倉敷)に先発し、歩幅を狭めた改造フォームで4回を1安打零封。敵の主砲・浅村から空振りを奪うなど、新球スプリットチェンジにも一定の収穫を得た。「3・29」の開幕DeNA戦(横浜)へ向けて視界は良好。「精度を上げながら、しっかり調整したい」と足元を見つめた。

 高校時代の3年間を過ごした岡山への凱旋。倉敷マスカット球場での登板は「高1の新人大会以来。その1回しか投げていないので覚えていない」と苦笑しながらも、小雪が時折舞う中、流れ込んだ寒気を吹き飛ばすほどの熱投を演じた。

 「真っすぐはある程度コースに投げることができた。ただ四球を2つ出しているし、意図した球を投げられるように精度を上げていかないといけない」

 九里が今春初の実戦で4回60球を投げ、1安打無失点と好スタートを切った。四球を端緒に1死三塁のピンチを招いた初回は、3番・辰己を外角低め直球で、4番・浅村は内角低めフォークで、それぞれ三振。先頭・島内に四球を与えた2回も無難に後続を斬った。

 新球を含む全球種を織り交ぜ、一定の収穫を得た。縦に落ちるチェンジアップとは軌道を異にし、右打者の内角へ落ちるスプリットチェンジ。4回の浅村には3ボールから2球続けて空振りとファウルを奪い、鈴木大を外角低めに落ちるそれで三ゴロに仕留めた。

 「左打者にどういう意識で投げたらいいのかと思って、結構投げた。右打者の内角にも投げたけど、精度はそこまで高くないので上げていけたら」

 貪欲で意識が高い右腕ならではの、厳しめの自己評価。新井監督は「彼は貪欲で、向上心を持って取り組む選手なので現状に満足しない。どんどん試してもらいたい。順調にきていると思うし、開幕に向けてしっかり調整してもらうだけ」と全幅の信頼を寄せる。

 踏み出す左足の歩幅を7足から5足と3/4に狭めた改造フォームで24年春、飛躍への確かな一歩を踏み出した。4回の先頭・辰己を100キロに満たないスローカーブで二ゴロに仕留めるなど、変幻自在に試合をつくる安定感は特筆ものだ。

 「(開幕投手を務める)実感はまだ湧いていない。次の試合までの期間を無駄にせず、しっかり準備したい」

 3・29の開幕DeNA戦まで残る登板は恐らく3度。一つずつ課題をクリアしながら、円熟期を迎えた32歳は大役のマウンドに登る。 (江尾 卓也)

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