西武・山川、無期限出場停止 球団処分発表で騒動後初の謝罪 今季出場絶望もFA権取得見込み

[ 2023年9月5日 05:30 ]

西武・山川穂高
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 西武は4日、知人女性への強制性交の疑いで書類送検され、嫌疑不十分で不起訴処分となった西武・山川穂高内野手(31)について無期限の1、2軍公式戦出場停止処分とすると発表した。今回の事態を球団は重く受け止め、トラブルを起こしたことへの猛省を促し、今季中の1軍復帰は絶望的となった。

 球団が山川に下した処分は「無期限の公式戦出場停止」だった。知人女性への強制性交の疑いで約3カ月半、警察や検察が取り調べを行い、8月29日に嫌疑不十分で不起訴処分になった。一方で高潔さと誠実さが求められるプロ野球選手が、醜聞でファンの期待を裏切ってしまったことは事実。球団側は事態を重く受け止めた。

 奥村剛球団社長は文書で謝罪し、判断については「不起訴処分となりましたが、球団として今回の事態を重く受け止め、本人の猛省を促すべく、処分といたしました」と経緯を説明した。

 5月11日に「文春オンライン」から報道が出ると、山川は翌12日に出場選手登録を外れた。以降は球団施設で行われる3軍練習に参加。これまで公の場で口を開くことはなかったが、球団を通じ「ファンの皆さま、球団、NPBおよびスポンサーの関係者をはじめとした皆さまに多大なご迷惑をおかけしましたことを、おわびいたします」と謝罪。続けて「主たる原因は、私がプロ野球選手という立場をわきまえずにした行動が招いたものであり、深く反省しています」などと反省の言葉を残した。

 この日朝に処分を直接伝えた飯田光男球団本部長は、処分解除の判断について「いつまでとは決めていない。本人の反省や姿勢、いろんな状況を見ながら検討していく」と説明した。同本部長は役員報酬を一部自主返納する。処分対象は1、2軍の公式戦で、3軍の練習試合や秋季教育リーグなどは含まない。

 現在チームは最下位に沈み、残り24試合。今季1軍復帰は絶望的となり公式戦で打席に立つ姿を見られるのは来季以降になりそうだ。

 ≪あと17日「故障者特別措置」で≫山川は今季中の1軍復帰が絶望的となったが、国内フリーエージェント(FA)権の取得条件を「故障者特例措置」で満たす見込みだ。

 FA権取得まで「あと17日」を残すが、前年度1軍で145日以上登録された選手が故障離脱した場合は、出場選手登録を外れた日から2軍公式戦に出場した日までの期間を加算することができる。今季は4月9日のソフトバンク戦で右ふくらはぎを痛め、10日に出場登録を抹消された。その日から同27日の2軍戦出場までにかかった「17日」が加算されればFA権取得が可能だ。

 昨オフには順調なら今季FA取得見込みであることをにらみ、球団からは4年契約を提示されたが固辞し、自ら単年契約を選んだ。今後の状況次第では、オフに去就が注目を集める可能性がある。

 ▽FAの故障者特例措置 前年度に出場登録日数145日を満たした選手が、2月1日から11月30日までの間に発生したグラウンド上での故障、ケガで登録抹消となったため、登録日数が145日に満たなかった場合、特例措置適用の対象となる。加算はケガで登録抹消となった日から2軍公式戦に出場した日までとし、最大で60日までとする。

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