中畑清氏 野手登板に疑問…NPB流ルールづくりを

[ 2023年9月5日 05:00 ]

中畑清氏
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 【キヨシスタイル】まだブルペンに投手が残っているのに、白旗を揚げて野手をマウンドに送る。こんな野球、お金を払って見に来てくれているお客さんに見せていいのか。プロだよ。

 巨人は2日のDeNA戦、4―12と大差をつけられた8回に野手の北村拓を登板させた。ギブアップした姿を見せられたファンはどんな思いがしただろうか。

 私はDeNAの監督をやらせてもらった2012年からの4年間。途中で試合を投げ出したり、先日の中日のように投手を1イニング10失点のさらし者にするようなことは絶対しなかった。

 ファンあってのプロ野球。弱くても最後まで諦めない姿勢を見てもらいたい。それをテーマに、13年には7点差をひっくり返して勝つこと3度。応援してくれるファンが増えてきたのを実感した。

 野手の登板は大リーグではよくあるといっても、それなりの事情がある。大リーグはコロナ禍で20年からタイブレーク制を導入してるけど、それ以前は延長無制限。シーズン試合数も162でNPBの143より多いしね。投手がいなくなってやむなくというケースが多く、当たり前になったんだと思う。

 でも罪の意識はあるんだろうな。野手の登板に条件をつけている。8点以上リードされているか、10点以上リードしている9回。去年は延長戦に入るか6点差以上ついていれば良かったのが、今年は厳しくなってるんだよね。

 そこで提案。NPBはアンケートを実施してファンの声を集めてみてはいかがだろうか。野手の登板に賛成か反対か。現場の意見も聞いて、延長12回制のNPBにふさわしいルールづくりを検討してもいいんじゃないかな。

 巨人はここに来てベテランと若手が融合するいい形になってきている。3年目の秋広とルーキーの門脇が外せない存在になってさ。高校生ルーキーの浅野も走攻守においてパワー、大いなる可能性を感じさせてくれている。8月18日の広島戦で左の森から初ホームラン。右の栗林に代わった次の打席で代打を送られたのはずっこけたけどね。

 残り23試合。3ゲーム差に踏みとどまったDeNAとのCS争い。緊張感の中で若い力が躍動するのを見たいな。野手の登板はもう勘弁だよ。(本紙評論家・中畑 清)

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